
湯治文化の残る肘折温泉と美肌の羽根沢温泉。異なる温泉を求めて山形の最上地方を旅しました。
二泊目に宿泊した松葉荘は、「とにかく居心地よい」の一言につきる宿。
温泉が素晴らしいのはもちろん、お料理も独創的でおいしく、寛げるように細やかな気配りのされたお部屋。
このお宿で過ごすためだけに訪れたい…。そんな風に感じた数少ない宿の一つです。
本ブログは、山形旅行後半の記録。前半の記録は近日アップ予定です。
- 日:2026/4/11(土) - 4/12(日)
- 旅程
- 4/11:大阪(伊丹)空港 - 山形空港 - 新庄散策 - 肘折温泉 大友屋旅館
- 4/12:肘折温泉 大友屋旅館 - 新庄散策 - 羽根沢温泉 松葉荘
- 4/13:羽根沢温泉 松葉荘 - 山形散策 - 山形空港 - 大阪(伊丹)空港
目次
松葉荘 温もりと心地よさに包まれ、また来たくなる宿
古い桐箪笥や籠に飾られた植木やドライフラワー。思い出の写真や絵。センスのよいお宅に訪問したような空間は居心地よく、ゆっくりと寛げます。お料理は美しく、独創的。そして何よりおいしい。さらに肌がしっとりと潤う「美神の湯」。
寡黙なご主人、おっとりお話上手な奥様、ご両親を手伝うお嬢様。
ご家族のあたたかさが、宿の雰囲気をさらにやわらかくしています。
この宿で過ごすためだけに、また訪れたくなる。そんな素晴らしいお宿でした。
- 美神の湯 松葉荘
- 素泊まり:6,000円〜、朝食付:7,000~、二食付:9,500円〜
※祝日前日以外であれば一人泊可。一人泊、二人泊の値段は同じ - 利用したプラン:スタンダードプラン
- 温泉:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉/アルカリ性 (ph8.4)。夜は23時まで、朝は4時から入浴可。
- 食事:夕食18時、朝食8時。広間食。仕切りがあり、プライベート空間が保たれている。
- その他:新庄駅からの送迎あり (事前に相談)
- 素泊まり:6,000円〜、朝食付:7,000~、二食付:9,500円〜
- アクセス
- [電車] 山形 - 新庄 1時間10分 1,230円
※新幹線利用時は50分弱 2,890円 - [バス] 新庄 - 羽根沢温泉 40分 200円
※新庄駅から送迎で30分ほど。今回は送迎を利用
- [電車] 山形 - 新庄 1時間10分 1,230円
写真

山形二泊目は、かねてより楽しみにしていた羽根沢温泉 松葉荘です。
関西からかなり遠いうえに、車なしだと登山と組み合わせるのも難しい。今回はおいしいものを食べて、温泉でゆっくり寛ぐ目的で訪れました。
新庄駅から村営バスで行くこともできますが、日曜・祝日は運休。前日に気づき、慌てて送迎をお願いしました。
14時にご主人が迎えに来てくださり、もう一人の女性客と宿に向かいます。
羽根沢温泉までは車で30分ほど。
田んぼと民家があるだけののどかな道の中、晴れた空に雪景色をした月山がきらきらと輝いているのが、印象に残っています。

松葉荘に到着です。旅館2軒と数件の家、共同湯があるだけの本当に小さな集落。
山形35市町村の人口規模を見ると、この鮭川村が34位、前日に宿泊した大蔵村(肘折温泉)が35位と県内トップで人の少ないエリア。
平地が少ない山間地なうえ、豪雪地帯で生活や産業の制約があった点などが背景にあるそうです。

館内に入ると、奥様とお嬢さん、おとなしいゴールデンレトリバーが迎えてくれました。
おっとりとした雰囲気の素敵な女将さん。

奥様に案内されて部屋へ行きます。
桐箪笥や籠、ドライフラワーや鉢がセンスよく廊下に飾られ、あたたかな館内。

通されたお部屋にさらにびっくり!
畳の上には絨毯が敷かれ、藤の椅子やテーブルが配置されています。反対側にマットレスのうえに敷かれた布団。
奥にはサンルームもあります。
なんて居心地のよさそうな空間…
「珈琲茶碗と湯呑があり、お好きな方を飲んでくださいね。冷蔵庫には冷たい水も用意しています」と奥様。
テレビ、冷蔵庫、FreeWifi、空気清浄機あり。洗面所とトイレは共用です。

サンルームにはソファ鏡台、冷蔵庫があり、暑い時期にはこちらで過ごすとよさそう。
冷蔵庫には瓶ビール2本(有料)が入っていました。ソフトドリンクはロビー横にある自販機で購入可。

夜の8時まで自由に利用できる珈琲サービス。

館内にはBrutusなどの雑誌や書籍が置いてあり、「ゆっくり過ごしてくださいね。」という配慮が嬉しい。

トイレと洗面所は共同です。部分的にリフォームされ、洗面所は新しく、きれいでした。

さあ、お楽しみの温泉へ!!

この日は女性客が多いとのことで、内湯の大きい方を女性湯にしてくださっていました。
夜は23時まで、朝は4時から利用可能。

羽根沢温泉は、大正8年に始まった石油採掘中に湧き出したそう。
ほんのりとアブラ臭がして、とろみのあるお湯。湯に肌をつければ、すぐにツルツルに。まさに美肌の湯でした…。
泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉。ph8.4のアルカリ性です。

そして、もっとも楽しみにしていた夕食!
18時からで、準備が出来たら奥様かお嬢様が声掛けされます。
広間食ですが、しっかりと仕切りがあり、プライベート空間が保たれています。この日は3組おり、みな一人客でした。
一人客への配慮かテレビもつけてくださっています。(料理に夢中で、テレビを一切見ませんでしたが…)

見た目にも美しく、独創性があり、味もすばらしい夕食。板前の御主人が作られています。

前菜。時計回りに、「数の子やかに身、なめこなどが入ったテリーヌ」「上品な味付けの煮物」「なめこやえのきなど土地のきのこの先付け」「ホタルイカと水菜の酢味噌和え」「山菜の天ぷらと卵焼き」「蕨など春の酢の物」
写真は切れていますが、左上には「牛肉の陶板焼き」。やわらかく、おいしいお肉。少しだけ…というのも個人的にはうれしい。

馬刺し。お好みでにんにく醤油でいただきます。柔らかく、臭みは一切なし。美味しい馬刺しです。

感動したきのこの茶碗蒸し。色々なきのこを炒め、出汁、生クリームを加えて白いムース仕立てに。その上にお出汁ベースのきのこ餡をかけた逸品。コクのあるムースに、ぬるりとしたなめこやしゃきしゃきとしたえのきの食感が楽しい。
鮭川村は、シメジ・エノキ・ナメコなどきのこ栽培が盛ん。山形県の生産量の約半分を占める規模。
冬になると農家の仕事はなくなり、出稼ぎに出るのが当たり前だった時代。村の産業として育てようと、きのこ栽培を取り入れたそうです。

脂がのって、おいしかった黒ガレイの焼き魚。
村の由来にもなった、村の中心を流れる「鮭川」は、鮭が遡上する川。
鮭が盛んに食べられるのかと思っていましたが、今は食べないとのこと。産卵のために脂を使った川の鮭は、身がぼそぼそして全くおいしくないそうです。

冷たい肉そば。香り高い蕎麦に、大ぶりななめこ、ネギ、鶏が載せられており、七味とよく合いました。

まだまだ続く感動。
新筍に、鯨、ネギが入った粕汁。旨味とコクが深く、身体がぽかぽかに。


翌朝。健康的でとても美味しい朝ごはん!
焼き魚、納豆、大根のスジ煮、小松菜、温泉たまご、たらこと梅、ゼンマイの炒め煮、サラダ、のり、ご飯、味噌汁。
一品一品丁寧に調理されておいしいのですが、やはりご飯とお味噌汁が格別!
さっぱりとした中に甘味のあるお米と、お椀の半分以上もある大きななめこが入ったお味噌汁。
この土地に来ないと味わえない朝ごはんでした。
羽根沢温泉 何もない贅沢。山と森と、美肌の湯だけがある場所
村の中央を鮭川が南北に流れ、秋には鮭が遡上す鮭川村。
約65%が森林で、ブナを中心とした豊かな里山が広がります。
羽根沢温泉は旅館2軒と数件の家、共同湯があるだけの本当に小さな集落。
そんな何もない場所だからこそ、ほっと心が休まる。静けさを味わうためにくる温泉地です。

羽根沢温泉は、松葉荘と加登屋旅館、数軒の民家と共同湯があるだけの本当に小さな集落。
歩いていける距離にコンビニはおろかお店もありません。車なしでは生活が難しそうな場所。

村営バス乗り場。本数が少ないので、利用時は事前チェック必須です。(日・祝日は運休)

多目的集会所にある羽根沢温泉の共同湯。
8:00-18:00(冬季は17:00まで)は共同浴場として300円で利用できます。(それ以外の時間は村民のお風呂に)

周辺の方や観光客も利用するようで、天気のよかった宿泊日は人が絶えませんでした。
小さな共同湯ですが、美肌の効能が人気につながっているのかもしれませんね。
朝6時ごろに散歩をしていたら、寝起きの村人が、そのままの恰好で共同湯に向かうのが微笑ましかったです。まさに村の人のお風呂。


こんな何もない鮭川村ですが、観光スポットの一つが小杉の大杉。
別名『トトロの木』とも呼ばれる、トトロのシルエットにそっくりの木

昔からご御神木として親しまれてきた樹齢1000年を超える杉の巨木。
殿様が吹雪の日この木の下で難を逃れた、夫婦で手を繋いでこの杉の根元で休むと子宝が授かるなど、地元では様々な言い伝えがあるそう。
宿から車で10分弱ほどですが、歩きとなる1時間以上…。
昨今、鮭川村でも毎日熊の目撃情報があるとのことで、諦めました。
この地でのんびり過ごすのが、なによりの贅沢ですね。
山形 旅のおわりは、霞城公園の満開の桜
奥羽本線の車窓に広がる桜があまりに見事で、思わず霞城公園へ立ち寄りました。
青空と芝生に続く桜のトンネル、城郭を彩る満開の桜、濠に垂れ下がる桜越しの雪山…。
そんな多彩な表情を味わい、旅を締めくくることができました。
写真

翌日は新庄駅まで送っていただき、奥羽本線に乗って山形駅へ。
満開の霞城公園が電車内からも見え、急遽訪れることにしました。

山形駅西口から南門まで徒歩10分ほどの距離。
少し汗ばむくらいのよい天気でした。


霞城公園は、山形城(霞城)跡を整備した史跡公園。
約1,500本の桜が咲き誇る山形市随一の桜の名所で、東〜南濠沿の桜は夜にライトアップされるそう。
公園内やその周囲には、山形市郷土館をはじめ、山形県立博物館、山形美術館、最上義光歴史館などの文化施設があります。

山形城は、最上義光が整備した奥羽地方最大の城郭。東京ドーム約16個分もの規模で、平地に築かれた「平城」でありながら、「三十の塀」「広大な二ノ丸・三ノ丸」「複雑な枡形構造」を備え、戦国期の防御思想が色濃く残っているそうです。


現在は跡地を残すばかりで、広場や散策路が広がっています。
堀の水面に映る桜並木や石垣と桜のコントラストが美しく、映えスポットに。


平日なのもありますが、混雑しすぎず、のんびりと楽しめました。
思いがけないところで、満開の桜を堪能。

お花見を終えて、汗ばむ体を休めに入ったのは『Cafe Slow Jam』。
オリジナルのカオマンガイや鯖とレモンのイエローカレーなどエスニック料理を出すカフェです。

タイ料理のカオマンガイに、特製スープがついた一皿。柔く煮込んだ鶏肉に、干し海老や貝柱をたっぷり使ったXO醬や香菜、ナッツ、人参、りんご、もやし…などをよく混ぜていただきます。色々な食感や混ぜ具合で異なる味わいが楽しい。
オリジナルのアンチョビソースを加えると、さらにコクがプラスされる。
山形だからでしょうか。お米そのものもおいしかったです。おすすめのプレート。

スパイスチャイも、甘みの中にシナモンの香りが高く、暑くてほてった体を落ち着かせてくれました。

フライトまで時間があったので、近くにあるコーヒースタンドの『Day&Coffee』へ。
ペルー、ブラジル、エチオピア、ケニアの4種類の産地から、好みの香りのコーヒーをチョイスするオリジナルブレンドコーヒーをいただきました。チョコレートのような風味の中にオレンジのような爽やかさもあるような…。
コーヒーと向き合う時間となりました。
旅したルート

山形県最上地方を旅してきました。山形県北東部に広がる山間地域で日本有数の豪雪地帯です。
雪解け水が豊富で、山菜・川魚が育つ環境のため、山の幸・川の幸・保存食の食文化があります。
また、肘折温泉・瀬見温泉など「湯治文化」が色濃い地域ですね。

霞城公園を散策した後、駅前エリアにあるCafeに行きました。
立ち寄りたいスポット
・七日街(なぬかまち)
山形の中心街。とんがりビルや水の町屋 七日町御殿堰、文翔館など個人的に気になるスポットがあります。
・百目鬼温泉(どめきおんせん)
田んぼの中に湧く強塩泉の名湯。3分以内の短時間入浴が推奨されるほど濃厚なナトリウム‐塩化物強塩泉の源泉。
山形駅 →(バス20分)→ 荒楯口 →(徒歩15分)→ 百目鬼温泉