9月 山と温泉 東北

[一切経山、高湯温泉] 浄土平から高湯温泉まで歩いた後は美肌の湯で疲れを癒す

太陽光の加減で色が変わって見える五色沼。この通称『魔女の瞳』で有名な一切経山。周りには高湯温泉や土湯温泉、野地温泉、微温湯(ぬるゆ)温泉と名湯が多くあり、登山と温泉が楽しめる山です。今回は、登山前後に姥湯温泉と高湯温泉をはさむ温泉も贅沢なプランで実行。ガスガスで展望には恵まれませんでしたが、湿原や東北の深い緑の山々を楽しんできました!

  • 日:2024/9/26(木) - 9/28(土)
  • 旅程
    • 9/26:大阪(伊丹)空港 - 福島空港 - 福島散策 - 姥湯温泉
    • 9/27:姥湯温泉 - 高湯温泉 - 浄土平 - 一切経山登山 - 高湯温泉
    • 9/28:高湯温泉湯巡り - 福島空港 - 大阪(伊丹)空港
    • このブログは、2〜3日目の一切経山の登山と高湯温泉の湯巡りの記録です。初日の記録はこちら

一切経山

かねてより登りたかった一切経山。吾妻小富士の荒々しい山肌や湿原、魔女の瞳、東北の山々の展望…と見どころが多い山です。バスがないため、タクシーで浄土平まで行き、一切経山〜高湯温泉と歩くことにしました。紅葉にはまだ少し早く、ガスガスな一日だったこの日。それでも魅力を垣間見ることができましたよ。 車で来れば、家形山や東吾妻山と繋げたり、谷地平や影場平まで足を伸ばして浄土平に戻るなど多彩なコースが楽しめそうです。24年の紅葉は10月中旬過ぎごろ。また来たい山です。

  • コース:浄土平 - 姥ヶ原 - 鎌沼 - 酸ヶ平 - 一切経山山頂 - 五色沼 - 家形山分岐 - 高湯温泉
  • 標準コースタイム:6時間強
  • 難易度:中
    • 浄土平から一切経山まではよく整備されていて、歩きやすい。登山者もある程度いるものの、熊鈴はある方が安心です。
    • 一般的には浄土平まで車で来て、浄土平 - 酸ヶ平 - 一切経山山頂 - 鎌沼 - 姥ヶ原 - 浄土平(約4時間)を登る人が多いと思います。
    • 一切経山から高湯温泉までは登山者がおらず、道がわかりにくい箇所もあります。ガスが出ている時や雨の時はおすすめしません。また、賽の河原辺りからは水捌けが悪く、ドロドロ道。ストックは必須です。
  • アクセス (姥湯温泉より)
    • [電車] 峠 - 福島 27分 420円 ※姥湯温泉から峠駅までは宿の送迎を利用
    • [バス] 福島駅西口 - ハイランド前 約40分 840円
    • [タクシー] 高湯花月ハイランドホテル - 浄土平 約25分 5,300円
      ※紅葉が見頃の時期は渋滞になり、その分タクシー代は上がるのでご注意ください。

写真

登山スタート地点である浄土平にはマイカーかタクシーでのアクセスとなります。宿泊する花月ハイランドホテルに荷物を置き、そこからタクシーで向かう計画。事前にホテルへの確認とタクシーの予約をしています。高湯温泉までは福島駅西口からバスで。東口乗り場は駅から離れていてわかりにくいとのこと。バス案内所の方に教えていただきました。
荷物を預けても良いかをホテルに事前連絡すると、気持ちよく応対していただいたうえ、天候の状況なども教えていただきました。本当にありがとうございます!このホテルの先が磐梯吾妻スカイライン。今回はタクシーで5,000円強でしたが、紅葉シーズンなど渋滞時はもっとかかるとのこと。
このスカイラインはつばくろ谷や天狗の庭といった絶景ポイントがいくつかあります。ガスガスのこの日はいまひとつ。昔はこの時期になると、気温が下がって、視界がクリアになったそう。「もっと観光バスも出ていたんだけどね〜」とタクシーの運転手さん。それでも、火山で荒涼とした山肌と草木の緑のコントラストなど見どころもありました。
浄土平駐車場。大きな駐車場で500台程度収容することができるそう。この日は観光客がほとんどで、吾妻小富士へ散策されているようでした。もっと登山客で賑わっているのかと思っていましたが…紅葉がニュースになると、ドドっと人が押し寄せるそうです。。
浄土平レストハウス。立派な建物ですね。軽食コーナーや売店、休憩所があります。もちろん、自販機やコインロッカー、トイレあり。
浄土平ビジターセンターの裏手に広がる浄土平湿原から登山スタートです。この湿原もなかなか見応えありますが、散策される人はほとんどおらず…。
明治に起きた一切経山の噴火で火山灰が堆積した浄土平は、乾燥地と湿潤地、またその中間地に区別され、異なる植物群落が見られるよう。ススキやコケ、リンドウなど異なる植生が見られるのはそんな背景があるようでした。(参照:浄土平ビジターセンターHP)
今も噴煙を上げる山。晴れていたら、もっと迫力を感じそう。
木道が終わり、いよいよ登山です!
よく整備されていて、歩きやすい道。赤テープや標識も要所要所にあります。
今回は姥ヶ原・鎌沼を先に見るために、左手のコースを進みました。右手の酸ヶ平に向かうルートを行く人が多いです。
高度をあげるにつれて、黄〜赤と色が深くなる。道も歩きやすく、静かな山歩きが最高に楽しい!
姥ヶ原。冬の西風の通り道になっているため、植物の発達が進まず、丈の低い植物が群生する地帯。チングルマやミネヤナギ、コケモモが生えているよう。なんだか熊が出てきそうな場所ですね。。東吾妻山もよく見えました。
鎌沼が見えてきた!
その名の通り、鎌の形に似ていることからこの名前がついたそう。
水深は最深部でも6mぐらいしかなく、凹地に水がたまって出来たそうです。
コバケイソウやミヤマリンドウ、イワカガミも豊富にあるそう。この鎌沼をぐるりと歩く道もとても気持ちよかったです。
酸ヶ平(すがだいら)湿原。ワタスゲやミヤマリンドウ等が生育しているそう。
この酸ヶ平湿原に立派な避難小屋があり、隣に綺麗なトイレもあります。ここから一切経山山頂までザレた急登となります。
比較的歩きやすく、危ない箇所はありません。ここでようやく、下山する人たちとすれ違いました。
11時過ぎと登山開始が遅く、ほとんど登山者と会わなかったこの日。ガスで辺りが白くなると心が萎えます…。どこか知らない世界に迷い込んだよう。このまま高湯方面まで歩いて行くか、お金はかかっても、浄土平からタクシーで下山するか、、とても迷いました。
頂上に到着!天気が良ければ、吾妻小富士や猪苗代湖、吾妻連峰や蔵王連峰も見えるそう。この日はまっしろけ。。。4〜5パーティーがおり、みなさん魔女の瞳(五色沼)の見える場所で休憩をとられていました。
ガスがさーっと晴れ、深緑の魔女の瞳と家形山が姿を現す瞬間は感動です!
ギリギリ天気が持ちそうなため、予定通り高湯温泉まで進むことにしました。この先は登山者がいなくなるので、気を引き締めて歩きます。山頂から魔女の瞳まで下る道がなかなか悪い。ざれて滑りやすかったです。
五色沼まで降りるとこんな感じ。進む方向に少し迷ったポイントです。よく見るとうっすら踏み跡が残っていて、この方向に進みます。正面の山が船形山。この辺りも晴れていると展望がいいらしく、朝日連峰や蔵王連峰も見渡せるそう。船形山から魔女の瞳と一切経山を見るのも良さそうですね。
すぐそばで見ると深い碧色。この五色沼は太陽光の加減で色が変わって見えることから「魔女の瞳」と呼ばれているようです。この一切経山のシンボル的な存在ですね。
少しわかりにくい道ですが、ペンキでマーキングがあります。
そして、赤テープが緑色のリボンになりましたが、しっかり目印はあります。
家形山との分岐点をへて、高湯方面に下山します。写真は撮りませんでしたが、分岐点の岩にもマーキングされています。この先は一本道なので迷うことはあまりないです。ただ、電波も届かず、暗い道。展望や見どころもないため、あまり楽しいコースではありませんでした。賽の河原辺りからはドロドロ道。
時間も押していたため、必死に下山。そのため、写真はありません。。不動沢登山口との分岐辺りから、だんだん道も悪くなり、このまま暗い山道を歩きたくないな…と。白樺の峰辺りで、磐梯吾妻スカイラインに上がり、そこからは確実な車道を歩きました。前半楽しく、後半はなかなかに辛い登山でした。

他の登山コースについて
天候さえ良ければ、最高の山歩きができる魅力に詰まった山域。浄土平ビジターセンターHPに散策コースや植物などの情報があり参考になりました。谷地平や景場平、鳥子平といった湿原を繋いで歩くのも楽しそうですね。

高湯温泉 花月ハイランドホテル

源泉かけ流し宣言をした高湯温泉。どの施設も加水・加温なしの100%源泉かけ流しが楽しめます。福島駅からも比較的アクセスしやすい立地ながら、娯楽施設はなく、湯治場の雰囲気を残しています。評判通り、泉質はよく、これまで行ったどの温泉よりもお肌しっとり・すべすべが長続きしました。宿泊した花月ハイランドは大型のホテルですが、スタッフの方が感じよく、部屋も広々として過ごしやすかったです。

  • 高湯温泉 花月ハイランドホテル
    • 素泊まり:2食つき:17,350円〜 (税込、一人泊の場合)。土日でも一人泊可
    • 温泉:酸性・含硫黄(硫化水素型)のアルミニウム・カルシウム硫酸塩温泉(硫黄泉)。内湯(男湯、女湯)、露天風呂(男湯、女湯)、貸切露天風呂。24時間入浴可。
    • 食事:夕食18:00~または19:00~、朝食7:30~、8:00~
    • その他
      • 送迎:福島駅西口までの宿泊者無料送迎バスあり

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蔵王温泉、白布温泉とともに、「奥州三高湯」である高湯温泉。温泉好きにも人気があるため、一切経山と組み合わせて行ってみたいなと考えていました。現在8~9件ほどの宿がありますが、一人泊できる宿が少ないです。改修工事期間のみの限定や宿泊日7日前に空きがあれば…とハードルが高い…。そんな中見つけたのが、花月ハイランドホテル。
土日も利用できる一人旅プランがありました!そして、案内いただいたお部屋がびっくり。とても広い!広い玄関スペースに、2つもある洗面所、広々としたおトイレ。一人泊の場合、6〜8畳ほどのこぢんまりとした部屋が多いのでうれしかったです。
疲れ切った心と体を癒してもらうために、そそくさと温泉に向かいました。高湯温泉は源泉かけ流し宣言をしており、どこの宿も加水・加温なしの100%源泉かけ流し。じんわりと温まり、体がほぐれる印象でした。高湯温泉の中で一番高い場所にある花月ハイランド。お天気が良ければ、吾妻連峰が見渡せます。(出典:花月ハイランド公式HP)
そして夕食。レストラン食です。大型の宿泊施設なため、団体客や家族連れと一緒になるのかな…と心配していましたが、別々でした。人数が多いお客様は別の個室に案内されているよう。案内されたレストランはご夫婦が多く、静かに食事を楽しめました。
夕食は品数が多く豪華。無花果豆腐、前菜、お造り(鮪、甘エビ、椎茸、湯葉)、松茸の土瓶蒸し、牛肉の蕎麦味噌朴葉焼き、鮑酒蒸し、豚肉のアルザス風煮込み、ご飯、赤出汁、香の物、デザート。部屋に戻ると布団が敷かれていて、ぐっすり休むことができました。
朝食も夕食と同じレストラン。スタッフの方も感じがよく、一人泊でもゆっくり過ごすことができました!
翌日は湯巡りへ。共同浴場のあったか湯は泉質よし、設備よし、値段よし(なんと250円!)で大人気。いつでも混んでいるため、安達屋と玉子湯の2つのお宿に行きました。どちらも歴史ある宿です。大露天風呂が気になっていた安達屋は日帰り入浴1,000円。90分制(受付10:30~13:00)でした。残念ながら、24年秋現在は改修工事のため、内湯のみ。(出典:安達屋公式HP)
お湯の印象は花月ハイランドとそこまで変わりません。硫黄の香りに包まれながら、肌がツルツルになるのを感じます。雰囲気の良さが魅力の安達屋。入浴後、ロビー横のこんな素敵な休憩スペースで寛げます。(フリードリンクあり)
そして玉子湯へ。日帰り入浴1,000円、90分制(利用時間11:00-14:00)。玉子湯、天溪の湯(露天)、足湯が利用できます。どの宿も泉質がよかったですが、この玉子湯が一番濃く感じました。高湯温泉の源泉は10ヶ所あり、少しずつ成分は違うよう。
茅葺屋根の玉子湯は明治創業当時からのまま。浴室の前に脱衣所があり、湯治場の雰囲気を楽しめます。泉質が評判の「仙気の湯」は宿泊者限定のようでした。娯楽施設が一切ない高湯温泉。静かにゆっくりと温泉を楽しみたい方におすすめです。(出典:玉子湯公式HP)

もう一つの旅プラン
宿の送迎もあり、公共バスも比較的ある高湯温泉。私は福島県の乗合タクシー制度を利用して、宿から空港までタクシーで移動しましたが、福島駅に行き、福島や(仙台空港利用の場合は)仙台で美味しいもの巡りをするのも一つですね。

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