7月 山と温泉 甲信越

[志賀山、熊の湯] お花畑とうつくしい池塘、エメラルドグリーンの湯

連日の暑さに、すずしいところを求めて志賀高原に再びやってきました。様々なトレッキングコースと温泉が豊富にある志賀高原。今回は志賀山と熊の湯、角間温泉という組み合わせです。
山のうつくしさは前月6月の新緑の方が勝っていましたが、人も入りだし、ハイキングにもってこいの時期。
本ブログは初日の登山と熊の湯の記録です。

  • 日:2025/7/11(金) - 7/13(日)
  • 旅程
    • 7/11:大阪 - 湯田中
    • 7/12:湯田中 - ほたる温泉 - 志賀山登山 - 熊の湯 - 角間温泉高島屋
    • 7/13:高島屋 - 小布施 - 大阪

志賀山 池塘とお花がうつくしい山

様々なトレッキングコースのある志賀高原。お花畑と池塘と熊の湯を目当てに志賀山をチョイスしました。結果は大正解!
志賀高原の山を一望し、様々な池塘を見下ろせるコース。特に、静謐な美しさの渋池、コバルトブルーが神秘的な大沼池、お花と池塘がたくさんの四十八池は圧巻。そこまで混雑していないのも個人的には◎。紅葉の時期に再訪したいですね。

  • コース: 池めぐりコース入り口 - 渋池 - 志賀山登山口 - 志賀山 - 裏志賀山 - 大沼池 - 四十八池 - 志賀山登山口 - 渋池 - 池めぐりコース入り口
    ※大沼池湖畔(往復2時間)には行かずでしたが、理想のコースとして記載しています。
  • 標準コースタイム:約5時間半
  • 難易度:低
    • 体力に合わせてコースを選択できるのも魅力。志賀山を登らず、渋池~四十八池~大沼池の池巡りハイキングも一案。また、木戸池から出発したり、赤石山とつなげるのも一つです。
    • よく整備されています。志賀山はしっかりとした登山。笹が多く、ぬかるんでいる箇所もあるため、長袖着用でストックがある方がよいかもしれません。
    • この日は人がそれなりに入っていましたが、静かな山だと思います。熊鈴はつけた方がよい印象。
  • 志賀高原公式HP:トレッキングコースの案内が充実
  • アクセス ※湯田中駅から
    • [バス] 湯田中駅 - ほたる温泉 約45分 1,450円

駐車場について
硯川駐車場:志賀山登山口前にある無料駐車場。約60台ほど収容可
木戸池温泉駐車場:木戸池近くにある無料駐車場。ここから志賀山に登ることも可能。約15台ほど収容可

写真

関西の低山は暑くて、登れない。。。と、涼しい場所をもとめて、湯田中にふたたびやって来ました。1か月前に来た時はやや肌寒かった湯田中。この1か月ですっかり夏模様に。関西に比べれば涼しいけれど、日が出ればしっかり暑いです。

とはいえ、夜行バスで湯田中に到着したのは6時半ごろ。風はさわやかで気持ちよい朝でした。
湯田中駅横にある楓の湯の前では朝市がやっています。「おにぎりやお弁当があれば、ぜひ買いたいな」と覗いたけれど、お野菜中心。これから登山なので、残念ながらお買い物はできませんでした。土日6時~7時過ごろまでやっているようです。

湯田中~ほたる温泉までの長電バス白根火山線で志賀山登山口まで行きます。駅の横にバス乗り場があります。
夜行バスを降りる際にもらった長電バスの半額チケットを使いました!

湯田中駅前のコンビニで買ったまい泉の三軒豚とんかつサンドイッチが朝ごはん。店内調理ありのローソン!
朝早くて出来立て弁当はありませんでしたが、「店内調理」ってグッときますよね。
出勤してくるバスの運転手さんを眺めながら、ぼーっと朝ごはん。

[志賀高原、わくわくの湯] 新緑はこんなにもうつくしいにも書きましたが、志賀高原には様々なトレッキングコースがあります。
山頂は360度の大パノラマの日本二百名山岩菅山、リフトで標高2,300mの山頂近くまで登れる横手山、大沼池や四十八池など池塘が点在する志賀山。
岩菅山には「一ノ瀬」、横手山は「横手山第一リフト」から行けます。登山後にそのまま草津温泉に行くのも楽しそう。

8時半ごろの硯川駐車場の光景

ほたる温泉に到着!
バスは数人の乗客しかいませんでした。バスは窓を開け放しており志賀高原エリアに来ると、よく冷房が効いていると感じるほど。
志賀山登山口前の硯川駐車場(無料)は、それなりに車が入っています。バスで通り過ぎた田の原や木戸池にも人が入っているようでした。

きれいなトイレがすぐ近くにあり、ここで登山の準備をしました。

登山口にはニッコウキスゲがいっぱい

登山道・ハイキングコースは整備されており、標識もばっちりあります。
前山リフト(片道5分、大人600円)で前山まで上がることができますが、勾配も強くないですし、距離も短いです。

硯川ホテルの奥にはマッターホルンのような笠ヶ岳、草津方面には横手山が見えます。

1か月前は新緑で美しかった志賀高原。植物はすっかり成長して、夏の強い日差しにややお疲れもよう。
6月は雨に濡れて花びらが透明になったサンカヨウを見ることができますが、7月はニッコウキスゲやコバイケイソウ、アヤメなどが見られます。

気持ちいい朝。るんるん気分で出発!

前山までやって来ました。300名山の笠ヶ岳が目の前で、とんがった山頂がよく見えます。
この笠ヶ岳は、車があれば峠の茶屋から往復1時間でお手軽に登れますが、下から登るのは急登でかなりハードそうですね。

前山湿原のワタスゲ。見ごろは終わっていましたが、一面にワタスゲが群生していて、きれいでした。
年にもよりますが、6月中旬~下旬がよい時期かもしれません。

ニッコウキスゲ

眺望のいい前山湿原エリア。ここからは平坦な道を歩きます。

感動した渋池

渋池に到着。
「水質は酸性、腐植栄養型湖沼。池の周辺と浮島にはたくさんのモウセンゴケが生育し、虫を取って食べています。池畔には高山にみられるハイマツが氷河時代の遺物として今も生育していることは非常に珍しいことです。(環境省)」

うつくしすぎる

緑色の中に赤っぽく見えるのが、モウセンゴケなのでしょうか。食虫植物で、不足する栄養素を虫を取って補っています。
うつくしすぎる光景にしばらく見入ってしまいました。

この日、池巡りコースに来ている人はそれなりにいますが、混雑はありません。静かなハイキングを楽しめます。
志賀高原にはツキノワグマが生息しているので、しっかり、熊鈴をつけて歩きました。

立派な木。この辺りではヒカリゴケも見えるそう
平坦な道でらくちん、らくちん。

ここで、志賀山と四十八池との分岐点に。池巡りのハイキングをする場合は右側へ、しっかり山歩きをしたければ左側へ。
この先は本格的な山登り。ほとんどの方が右側へ行きました。

しばらく人の気配はなく、静かな山歩き。笹が多く、湿潤です。
気持ちのよい散策から、しっかりとした登山へ。志賀山山頂までひたすら登りです。

だいぶ高度を上げてきましたよ~
植生が変わってきた

志賀高原は1,600mを境に、上部はコメツガやオオシラビソの亜高山帯針葉樹林、下部はブナなどの落葉広葉樹林からなっています。
山頂近くになると、植生もだいぶ変わってきました。

志賀山山頂2,035mに。展望がすごくいいというわけではないですが、横手山や裏志賀山が見えます。スペースはあまりないので、立ちながらサクッと行動食をチャージ。

この景色を見ると、疲れが吹き飛ぶ~

山頂まで来ると、ときどきご褒美の絶景に出会えます。地味に不快な登りが続いていたので、この景色を見て疲れが吹っ飛びます。
志賀山には火山活動でできた池塘が点在し、お釜池・鬼の相撲場の池・志賀の小池・黒姫池・元池など数多くの美しい池が山頂付近から見られるそう。これは黒姫池でしょうか。

いい

裏志賀山と四十八池への分岐点に来ました。裏志賀山は外せません。ぜひ立ち寄りましょう。

分岐点からほど近い絶景ポイント。横手山、四十八池が見渡せます。

ロイヤルブルー!!

そして、大沼池が姿を現しました。なんて青い。自然界でこんな色を見たのは初めて!

裏志賀山山頂の志賀山神社まで来ました。この神社の先に大沼池の絶景ポイントがあります。

大沼池

大沼池は、志賀山からの溶岩流で川がせき止められてできた、志賀高原で最も大きな湖沼。天候や光の入り方によって、コバルトブルーやエメラルドグリーンへ色が変化します。湖水はph4.4と強い酸性のため、魚類は生息しません。
志賀山神社から先には行けないので、ここで引き返して四十八池を目指します。

四十八池までは下山となりますが、そこそこ急な下りもあります。天候によっては滑りやすいこともあるので、ストックがある方が安心ですね。

志賀山神社の鳥居をくぐると
四十八池に到着

四十八池のベンチで昼休憩を取られている方がたくさんいました。ここからさらに、大沼池までは○○分。
大沼池の畔まで行けることを失念しており、今回は行かずじまい。。。紅葉シーズンにリベンジします。

コバイケイソウ、ワタスゲの時期はもう終わり

四十八池湿原は志賀山と鉢山に囲まれた湿原で、大小60余個の池塘があります。
湿原内には、ミズバショウやヒメシャクナゲ、ミズギク、ワタスゲなどが生え、モリアオガエル、クロサンショウウオなども生育しているそう。

ずっと見ていたい
きれいに咲いていたアヤメ
お花の時期はもう終盤

昼頃になり、高地とはいえ、だいぶ暑くなってきました。「汗を流して、冷たいビールを飲みたい…」と、熊の湯を目指します。
ここから渋池~前山山頂まではほぼ平坦な道。さくさく進みます。

前山山頂のリフト乗り場まで戻ってきました。。

観光、ハイキング、登山と来られる方の目的はさまざま。回転するものの、駐車場の7割方は埋まっていました。

見どころが多く、静かな山歩きが楽しめました。また来たい山ですね。

熊の湯ホテル エメラルドグリーンの濃厚な温泉

志賀山の散策とセットで楽しみだったのが、エメラルドグリーンのお湯で有名な熊の湯。湯田中エリアからはバスで40分とやや離れているので、登山との組み合わせがもってこいです。
桧造りの立派な内湯で、「含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉」という温泉成分たっぷりなお湯を独泉。贅沢なひとときを堪能しました!

  • 翡翠色の湯 熊の湯ホテル
    • 日帰り入浴:12:30〜15:00(土・休日)12:30〜15:30(平日)大人1,500円タオル付
    • 泉質:含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉
  • アクセス
    • [バス] 湯田中駅 - 熊の湯 40分 1,450円

写真

ホテル前には「熊の湯」バス停があります

そして、もう一つのお楽しみがエメラルドグリーンで有名な熊の湯。志賀山の登山口から5~10分ほど歩いた先にホテルがあります。
この温泉で熊が傷を癒しているという逸話から、「熊の湯」と呼ばれるようになったそう。与謝野晶子をはじめとした文人墨客にも愛された温泉です。館内には熊の置物やはく製がたくさん。(ちょっと怖くて写真を撮れなったのですが…)

硫化水素を含む温泉。天井は高くにとられ、ガスが充満しないように外気が取り入れられています

桧造りの立派な浴室内には、鮮やかな緑色の湯が静かにかけ流されていました。
硫黄の香りがたまりません。ph7.5の弱アルカリ性。泉質は、「含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉」で、「炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉」のすべての泉質が含まれています。もちろん、お肌はつるつるスベスベに。

太陽の光で、露天風呂のお湯はキラキラとよりきれいな黄緑色。
パンチのあるお湯のため、帰りのバスではどっと疲れが出て爆睡しました。

下山&入浴後に、キンキンに冷えたビールが飲みたかったのですが、ビールコーナーや自販機はなし(ジュースの自販機あり)。
少しさびしい感じのするホテルでしたが、温泉はとてもよかったです。

志賀高原の温泉
発哺温泉やほたる温泉(旧硯川温泉)など、熊の湯以外にも温泉が豊富。志賀山に近いエリアでは、硯川ホテルや木戸池温泉ホテルが気になります。
・硯川ホテル 日帰り入浴13:00-16:00 大人900円 含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫黄塩・炭酸水素塩温泉のにごり湯
・木戸池温泉ホテル 日帰り入浴14:00-18:00 大人600円 単純温泉 (中性低張性温泉)

    -7月, 山と温泉, 甲信越
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