8月 山と温泉 東海 甲信越

[御嶽山、五の池小屋] 人気の山荘に泊まって、信仰の南御嶽と豊かな高山植物の北御嶽をめぐる②

御嶽山(おんたけさん)は、長野と岐阜にまたがる標高3,067mの独立峰。剣ヶ峰を主峰にして、摩利支天山、継子岳、継母岳などの外輪山があり、山頂部がとても広いです。
今回の登山のメインは、二日目の御嶽北側の継子岳周回。高層湿原の広がる四の池やコバルトブルーが美しい三の池が楽しめます。
お天気もよく、鮮やかな色彩の中、気持ちよく歩くことができました。
ガスで幻想的な中、信仰の南御嶽から五の池小屋の宿泊をまとめた一日目のブログ([御嶽山、五の池小屋] 人気の山荘に泊まって、信仰の南御嶽と豊かな高山植物の北御嶽をめぐる①)もご覧ください!

  • 日:2025/8/16(土) - 2025/8/18(月)
  • 旅程
    • 8/16:大阪 - 木曽福島 - 御岳ロープウェイ - 登山 - 五の池小屋
    • 8/17:五の池小屋 - 登山 - 御岳ロープウェイ - 釜沼温泉 大喜泉
    • 8/18:釜沼温泉 大喜泉 - 奈良井宿 - 大阪

継子岳 天候によって色が変わる三の池や小川が流れる高層湿原の四の池

継子岳(ままこだけ)は御嶽山の北端に位置する火山。濁河温泉側に位置します。北麓の日和田高原などから「日和田富士」とも呼ばれ、南側の山体が隠れると綺麗な円錐形に見えることでも知られています。
この継子岳は見どころが多く、今回歩いていて一番楽しかったです。幻想的な針の山、継子Ⅱ峰からの岩場歩き、四の池の湿原、コバルトブルーの三の池と変化が多い!コースタイムは1時間半ですが、撮影が止まらず、気づいたら時間が過ぎていました。
思いの外に登山客が少なく、静かな山歩きができるのも◎。コマクサなどお花畑が見れる7月下旬にまた歩きたいですね。

  • コース:五の池小屋 - 継子岳 - 継子Ⅱ峰 - 五の池小屋
  • 標準コースタイム:1時間半
  • 難易度:低
    • 継子岳Ⅱ峰はアップダウンがあるため、五の池小屋の西側から歩きました。
    • 渡渉ポイントあり。ストックがある方が安心です。

写真

ほのかにピンク色に染まったご来光

晴れ予報の二日目。早朝はガスが濃いうえに風が強かったです。山小屋に宿泊した人も「いつ出発しようか」と様子見。

出発時は風がきつかった!グローブとレインウエアをがっちりきて防寒。

朝食後は風も弱まりだし、これから天気は良くなるだろうと出発。その日の行程や下山リミットを考えて、「いつ出発しようか?」「コースを変えた方がいいか?」と悩ましい。。
五の池山荘の西側(トイレ側)は、濁河温泉(にごりごおんせん)と継子岳につながる道に分かれていますが、どちらの道も歩く人はいませんでした。みなさん、三の池や摩利支天方面に向かうのかしら...。

あれが岩のトンネル?

五の池山荘から岩のトンネルまでコマクサ大群落があるようですが、ガスガスで何も見えず。。。御嶽山のコマクサは、例年7月中旬~8月中旬までが見ごろのよう。晴れていれば、見えたかな…??
イワギキョウやコマクサ、イワツメクサなども見れるそうです。お花を楽しむなら7月がベストかもしれません。

自然にできた岩のトンネルを潜り抜けます。
その先には「岩小屋」と呼ばれる岩の洞窟と石碑があったようなのですが、ガスで気づけませんでした。

霧の合間からときおり見える四の池の広大な湿原にハッとします。

進む道にはしっかりと白いペンキの丸印がついています。

針の山の手前は雷鳥によく会えるポイントのよう。写真真ん中に雷鳥の親子が映っていますよ。

こんなガスガスのときに会うのが雷鳥ちゃん。近づくと「くーくー。くく。」というかわいらしい鳴き声がするので、怖がらせないようにそっと歩きました。
キツネやカラスなどの天敵や、暑さを避けて霧や雷雨のときに活動することから、雷鳥は「らいの鳥」と呼ばれたそうです。

そして、「針の山」と呼ばれるポイントにやってきました。
薄い岩が針のように立てられていて、石仏のようですが、溶岩の侵食で自然にできたガレ場。

だんだんとガスが晴れてきた。朝の光に、緑が輝くひととき
針の山を振り返ると、神秘的な光景だった
朝靄と光と岩の幻想的な世界
ガスの中で不意に見える人影。御嶽教信者さんでした。
道中、よく見かけたトウヤクリンドウ

不意に現れた継子岳ピーク2,859m。風が強く、ガスも濃くて何も見えません。天気がよければ乗鞍岳や穂高、槍、笠ヶ岳が見えるそう。

こちらは濁河温泉方面

この継子岳ピークからは、Ⅱ峰に向かう道と濁河温泉に下山する道があります。
晴れていれば、Ⅱ峰のピークがすぐ目の前にあるので道を間違えることはないのですが、この時は何も見えず...。
不意に目に飛び込んできた木の標識の方向に進んでしまいましたが、濁河温泉のルートでした。「おかしいな。」とすぐに引き返しましたが、ガスっているときは要注意。

霧の合間から見える継子Ⅱ峰

ガスが徐々に晴れてきました。

Ⅱ峰に行くまでにコマクサ大群落やイワギキョウなどが生えているポイントもあるらしいです。今回は時期が過ぎていたかな。

五の池小屋~針の山~継子岳と歩いてきた尾根が正面に見える
写真左上の尾根ピークに白い鳥居が映っています

振り返ると、継子岳の山頂下に白い鳥居が見えました。剣ヶ峰や摩利支天、継子岳といった御嶽山の信仰の対象の山頂には鳥居がたてらているそう。

なんでもない景色が綺麗。撮影が止まりません。

Ⅱ峰手前にも雷鳥ポイントがあるそう。
植生回復作業の現場であるため、登山道以外は進入禁止になっています。

II峰到着
II峰からは岩稜帯に。四の池の湿原が目の前に広がっている。
進む方向さえ間違えなければ、難しい場所はない。
こんな岩登りもあるので、継子岳周回は変化があって面白い。
剣ヶ峰までは見えなかったけれど、圧巻。。

四の池は巨大な火口跡。火口底は川が流れる湿地帯で、高山植物の群生地となっています。

四の池まで下ってきました。継子岳を振り返る
この小川の先は滝に。雨の後の増水時にはロープウェイから見えることもあるそうです。
ここを渡渉
うつくしいブルー

四の池から五の池に向かう途中で目に飛び込んできた三の池。
水の深さは13.3mで、その澄んだ水は「御神水」として御嶽教信者から崇められ、持ち帰ることできるそう。
春から初夏にかけて、湖面に張った氷が中心から溶けて「竜の瞳」のように見える現象が「ドラゴンアイ」と呼ばれます。八幡平のドラゴンアイと同じ現象ですね。
ここから三の池湖畔まで下って行くこともできます。今回は剣ヶ峰まで登ることを考えてパスしましたが、歩いてみたい道。

小屋の背面に立つ祠の場所が飛騨頂上。

周回して五の池小屋まで戻ってきました。
いろいろな景色が楽しめる継子岳。おすすめです。

五の池小屋 ~ 二の池 御嶽山の全容を見渡す

前日はガスで展望のよくなかった五の池~摩利支天を晴れ間に歩きたいと、前日と同じ道を辿りました。継子岳の北御嶽、剣ヶ峰の南御嶽の山容がきれいに見渡せ、独立峰の御嶽山の大きさを改めて実感。何も見えない前日とは全然雰囲気が違いました。。。
継子岳を歩いた後は三の池湖畔まで下り、白竜避難小屋を経由して二の池に向かうのも一案。展望か三の池か…どちらを選ぶか悩みどころですね。また季節を変えて、違うコースで歩いてみたいです。

  • コース:五の池小屋 - 摩利支天乗越 - 摩利支天山 - 摩利支天乗越 - 白竜避難小屋 - 二の池山荘
  • 標準コースタイム:約1時間半
  • 難易度:低
    • 賽の河原は霧が出やすく、迷いやすい。悪天候時は要注意。

写真

五の池小屋のラウンジから見えた摩利支天乗越に繋がる尾根。昨日通ったこの尾根を登って二の池方面を目指します。

青空とくっきりとした稜線。昨日とはまるで違う

振り返ると、継子II峰、三の池、五の池小屋と歩いてきた道がよく見えました。こうしてみると、三の池もなかなかの大きさ。

摩利支天乗越までやってきました。ここから20分ほどトラバースすると摩利支天に。

摩利支天乗越から望む展望台。この展望台からは剣ヶ峰〜二の池〜賽の河原と見渡せます。奥には継母岳も。朝日も綺麗に見えるポイントです。

剣ヶ峰〜賽の河原
この色のコントラストっといったら!!

爽やかな青空、火山帯のオレンジ、松コケなどの黄緑~緑。そしてたなびく雲。うつくしすぎる。。

下り切った所に白竜教の避難小屋が建ち、その左手から三ノ池へ下る登山道が分岐します。

昨日は見えなかった賽の河原や剣ヶ峰も今日はくっきり
お天気だと景色はきれいだけれど、暑い。。
賽の河原~白竜教避難小屋~摩利支天乗越の方を振り返る
手作りの看板がかわいらしい

かわいらしい看板が気になっていた二の池ヒュッテ。ランチ営業もやっており、名物は専門店監修の本格的な担担麺。
テラスで担担麺をすする人を見るうちに、急に食べたくなりました。

サイコー

注文してほどなくすると、鉄鍋に入ったアツアツの担担麺が登場。この景色を見ながらの担担麺が最高過ぎました。。。
二の池ヒュッテは、スタッフの方の感じがよく、館内はFreeWifiあり。宿泊もいいなと思いましたよ!

二の池山荘まで来ました
剣ヶ峰方面とロープウェイ方面との分岐で二の池~二の池山荘を振り返る

曇天でガスも多かった昨日は幻想的でグレーな世界。晴天のこの日はすべての色が鮮明で、生き生きとした景色。同じ道でも、天候でこんなにも山の雰囲気が変わるんだとあらためて思いました。

二の池~剣ヶ峰 御嶽山の最高峰へ

継子岳の周回で満足したというのが本音ですが、やはり最高峰の剣ヶ峰には登っておきたい!歴史のある剣ヶ峰までの道のりは想像以上に歩きやすく、山頂の御嶽神社奥社で登山の無事を感謝しました。剣ヶ峰から王滝頂上までの道のりは噴火口や奇岩を見るポイントもあるようなので、次回は王滝口(田の原)側も歩いてみたいですね。

写真

剣ヶ峰を目指す人は多い。

御嶽山の主峰の剣ヶ峰へ。砂地のざらざらとした道ですが、勾配はそこまできつくないので比較的歩きやすい。
山頂には御嶽神社奥社が鎮座しています。

御嶽神社奥社に行く階段手前には噴火で亡くなった方の慰霊碑がありました

階段を上り切って剣ヶ峰3,067mに到着。
剣ヶ峰山頂からは一ノ池、二ノ池が眼下に広がり、見渡せば富士山、甲斐駒ヶ岳・北岳など南アルプス、八ヶ岳、乗鞍岳、槍ヶ岳・穂高岳なと北アルプスが望めます。

晴天の覚明堂。青空、赤岩、黒い像とここでも色のコントラストがくっきり。
石室山荘下まではゴロゴロ道。
女人堂まで降りてきました
天気がいいので、八合目のこの女人だけから木曽駒ヶ岳や乗鞍岳がしっかり見えました
御嶽山を堪能して下山しました!

充実した登山となりました!!

立ち寄りの温泉
鹿の瀬温泉:大人450円 不定休のため電話で確認するのがベター JR木曽福島駅から車で30分
釜沼温泉 大喜泉:利用時間13:00-15:00 大人900円(平日800円) JR木曽福島駅から車で15分 
代山温泉 せせらぎの四季:利用時間10:00-21:00 大人800円 JR木曽福島駅から車で10分

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