12月 九州 山と温泉

[国東半島峯道トレイル、旅庵 蕗薹] 神仏の里を歩き、六郷満山の湯の恵みに浸る

国東半島の最高峰である両子山を中心に広がる六つの郷(来縄、田染、伊美、安岐、武蔵、国東)を「六郷」、それらの郷に築かれた寺院群のことを「満山」と呼ぶようです。この六郷満山をつなぐトレイルの一部を歩いてきました。岩壁に刻まれた石仏や名もなき野仏がいたる所にあって、独特の不思議な空間。もっと、この地を知りたくなりました。また、再訪したいですね。

  • 日:2023/12/17(日) -12/18(月)
  • 旅程
    • 12/17 大阪(伊丹) - 大分空港 - 田染中村 - 国東半島峯道トレイル - 旅庵 蕗薹
    • 12/18 旅庵 蕗薹 - 田染中村 - 大分空港 - 別府 - 湯巡り- 大分空港 - 大阪(伊丹)
  • 初日のブログです。2日目の「別府、海門寺温泉、竹瓦温泉」は近日アップ予定!

国東半島峯道ロングトレイル T1コース

鋭い岩峰群や苔むした仏像などに興味を惹かれた国東半島峯道ロングトレイル。いざ歩こうと思うと、なかなかにアクセスが悪く、今回はT1コースをアレンジして歩きました。本州にはない雰囲気で、個人的には大満足。公共交通機関や休憩所は充実していないので、歩く場合は事前の下調べが大切ですね。

  • コース:田染中村 - 朝日・夕日観音 - 真木大堂 - 熊野磨崖仏 - 真木大堂 - 田染中村 - 富貴寺
  • 標準コースタイム:約5〜6時間
  • 難易度:低
    • 歩いている人はほとんどおらず、車の往来も少なかったです。熊野磨崖仏と富貴寺のみ観光客と会いました。
    • トレイルの標識もさりげなくあるため、迷う箇所もありました。Google MapsとYAMAPを活用。
    • 店が少ないため、行動食や昼食は持参する方が良いです。
  • 国東半島峯道ロングトレイル:コース紹介
    • スリリングな岩尾根歩き中山仙境のあるT4コースや大不動岩屋のあるK1コースも気になりますね!
  • アクセス

写真

大分空港に到着!!ノースライナーに乗って、田染中村(たしぶなかむら)へ。一日に4本と本数が少ないです。
この日は「10年に一度の寒波到来!」と報道された日で、国東半島は寒い。田染中村に到着時は、風とあられが強く吹き、トレッキングを中止にしようかと思ったほど…。とはいえ、雪や風を凌げるようなお店もありません。
ほどなくして、雪を降らせていた雲が通り過ぎたので、様子を見ながら、行動開始。こんな日に歩く人はいません…。わかりやすい道を選びながら慎重に。国東トレイルの標識はあるものの、方角に迷う箇所もあるので、YAMAPをフル活用しました。
この辺りは「田染〇〇」という地名ですが、中世には田染荘(たしぶのしょう)と呼ばれた荘園。ここ田染小崎の景観は中世からほとんど変わらず現在に至っているようです。とてものどか…。地域に伝わるむかし話や歴史を紹介する案内が道々にあります。
正面の岩峰の岩屋に、朝日観音と夕日観音が祀られています。あぜ道を通って、登山口へ。
きちんと案内があります。多少歩きにくい道のため、手すりはあるものの登山靴で歩くのがベター。頂上までは15分程度の距離です。
「昔はどんな雰囲気だったんだろう…」と想像しながら歩くのも楽しいですね。
朝日観音に到着。ここから朝日が見えるので、「朝日観音」と名付けられたそう。
夕日が見えることからその名がついた夕日観音に行く途中に、田染荘を一望できるスポットがあります。日本の原風景。田植えに向けて田んぼに水が満たされる6月中旬や稲刈り時期の10月上旬はさぞかし美しいでしょうね…。
真木大堂(まきおおどう)。重要文化財の仏像を有しており、仏像ファン必見の名所のよう。
正面にはきれいなトイレ付の駐車場がありますが、この日はだれもおらず…。車の往来も少なく、少し心細い。
真木大堂から国道655線を南下して、本日メインの熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ)へ。真木大堂からは徒歩45分の距離。途中までは民家がありますが、その先は車道をひたすら歩きます。この看板が出たら、左手の道へ。右手は車向け。気づかずに右手方面に進んでしまい、遠回りしてしまいました。。
看板を左手に進むと、ほどなくしてこの鳥居が出てきます。
一本道を進むと、
熊野磨崖仏受付に到着。受付横には無料の休憩所と小さめの駐車場が、正面には土産物屋がありました。磨崖仏までに急な階段があるため、受付で無料の杖を借りるのがベター。拝観料300円、営業時間8:00-16:30(冬季)
神聖な雰囲気。鳥居の先には、鬼が一晩で積んだという、険しい石段が控えています。
熊野磨崖仏です。左側が不動明王像、右側が大日如来像。平安時代末期に岩肌を掘って作られたといわれる国内最古の仏像。日本に現存する磨崖仏の約8割が、国宝の臼杵磨崖仏群をはじめ、大分に保有されているそうですよ。
熊野磨崖仏を見た後は来た道を引き返します。国道655線を北上すれば、宿のある富貴寺に辿り着けるため、ひたすら歩きました。天気がパッとせず、人通りが少ないときは、わかりやすい道をチョイス。
休憩できるお店はほぼないのですが、田染中村近くの国道655線沿いに「蔵人」という交流館がありました。水・金・土曜10:00-16:00まで観光案内所、地域文庫やカフェとして、金・土曜11:30-14:00は農家レストランとして利用できるようです。日曜日のこの日は休館。残念…。
田染郵便局を過ぎたところにある元宮磨崖仏(もとみやまがいぶつ)。国道655沿いにさりげなくあります。鎌倉時代末期〜室町時代初期の作。色々な場所に磨崖仏がありますね。
そして、富貴寺に到着。ちひろとカオナシが座っていました。元宮磨崖仏を過ぎるとだんだんと民家もなくなり、誰もいない車道を50分近く歩いてようやくの到着。人の存在を感じる人形にホッと一息(笑)。暗い時間に何も知らずに見ると、ちょっと怖いかも!?ですね。
平安時代に宇佐神宮大宮司の氏寺として開かれた富貴寺。拝観料500円、営業時間8:30-16:30。
この阿弥陀堂は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂の一つで、国宝に指定されています。ちょうど「阿弥陀三尊像」が御開帳されており、大堂の中を拝むことができました。かつての色鮮やかさは残っていませんが、それがかえって、長い時を経て生まれる静謐さを生み出していました。

旅庵 蕗薹

富貴寺の横にある蕗薹。「大切な家族のようにもてなしたい」という宿の言葉通り、のんびり寛ぐことができました。慣れないながらも、心をこめて食事の配膳をする地元のおばさまたちが母親のよう…。そして、温泉が良いことはもちろん、食事が抜群に美味しい!!高級な食材はありませんが、地元の新鮮な野菜をふんだんに使って、丁寧に調理されています。とても良いお宿でした。

  • 旅庵 蕗薹
    • 今回利用したプラン:国産×合鴨料理 和室8畳14,300円
    • 宿泊費(一人泊の場合):和室8畳二食付き14,300円〜、和室離れ10畳(内湯あり)15,950円〜
    • 食事:蕗邸という食事処でいただきます。夕食18:00-21:00、朝食7:30-8:30。仕切りなどないオープンなスペースですが、こぢんまりとした規模。一人での食事も個人的には気になりませんでした。
    • 温泉:和室8畳の宿泊プランの場合は、共同湯のみ。炭酸水素塩泉の良質な温泉。
  • アクセス ※空港から向かう場合
    • [バス]大分空港 - ふき 35分 1,150円 大分空港ノースライナー時刻表
      • 「ふき」から徒歩40分。事前に連絡すれば、宿の送迎可。
      • バスの本数は少ないです。今回は大分空港から田染中村までバスで行き、それ以降は徒歩で移動しました。

写真

富貴寺横にある蕗薹。とても素敵な玄関ですね。館内は、離れが3つ、宿泊棟が5つとこじんまりとした規模。
今回宿泊したお部屋(テレビ、冷蔵庫、FreeWifi完備、浴衣あり)。トイレ・洗面所もついていて、とても快適!布団は自分で引きます。
温泉は16:00-23:00、朝6:30-9:00まで入浴可。炭酸水素塩泉のぬるめのお湯でいつまでも入っていられるほど気持ちが良かったです。浴後はお肌がしっとり。
そして、地元の野菜をふんだんに使ったお料理がとにかく美味しかった!!前菜プレート(胡麻豆腐、さつま芋の金時、大根おろしと椎茸・油揚げ、鶏のバジルソース、にんじん、ひじき、白和、栗きんとん、蒟蒻の刺身、里芋)
絶品だった菊芋のすり流し。そして、烏骨鶏の茶碗蒸し(木耳の餡かけ)、かぶらの鴨肉つめ、里芋の揚げ饅頭、車海老の白菜巻き、鴨鍋と雑炊、そば、漬物、生姜湯をいただきました。
豊後高田産の手打ちそばがいただけます!食後はコーヒー、抹茶、生姜湯を選べるのですが、チョイスした生姜湯の美味しかったこと。すりおろした生姜がたっぷり入っていて、かぁ〜っと体があったまりました。
朝食も絶品!!焼き鮭、きんぴらごぼう、青菜、肉そぼろ、サラダ、卵焼き、大根おろし、味噌汁、卵、コーヒー。特別なメニューはありませんが、どれも丁寧に調理されていて、完璧な朝ごはんでした。

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