11月 東北 街と温泉

[川渡温泉 - 鳴子温泉] あゝ鳴子。温泉のテーマパークかな。

個性溢れる湯、のどかで鄙びた雰囲気、点在するカフェ。初めて訪れた鳴子温泉は、のんびり一人旅に最高の場所でした。宮城県北部の米どころ大崎地方を流れる江合川(荒雄川)の上流に位置し、山々に囲まれている鳴子温泉郷。紅葉が残っている素晴らしい時期に行くことができました。同じエリアでも、訪れる湯すべての泉質が違ううえに、どれも極上湯…。のんびり景色を見ながらの湯めぐりがとても楽しかったです。リピーターが多いのも納得。時期を変えて、また行きたいですね。

  • 日:2024/11/22(金) - 11/24(日)
  • 旅程
    • 11/22(金):大阪(伊丹)空港 - 仙台空港 - 鳴子温泉 - 街歩き - 川渡温泉みやま
    • 11/23(土):川渡温泉 - 東鳴子温泉 - 鳴子温泉 - 川渡温泉
    • 11/24(日):川渡温泉 - 仙台空港 - 大阪(伊丹)空港
  • アクセス
    • [電車] 仙台空港 - 仙台 - 小牛田 - 川渡温泉 2時間半~2時間45分ほど 2,110円
    • 東京からの場合
      東京 - 古川 - 川渡温泉 約3時間 12,510円 ※古川まで東北新幹線を利用

塩竈への立ち寄り
東北本線で、小牛田(こごた)〜仙台に移動する際、塩竈を通ります。時間に余裕があれば立ち寄って、美味しい寿司を食べるのも一案ですね。

川渡温泉 山ふところの宿みやま

数多ある旅館の中で今回訪れたのは、家庭的な雰囲気が魅力のみやまさん。田や林に囲まれた落ち着く立地で、ご主人の気遣いが心温まるお宿でした。湯治向けの本館と杉材をふんだんに使った別館。部屋数はありますが、一日に2〜3組しか取らず、日帰り入浴もやっていないので、館内はとても静か。畑で採れた野菜やお米を使った料理は家庭的で美味しかったです。のんびり、ゆっくりして、自然と元気になる…そんなお宿でした。

  • 山ふところの宿 みやま
    • 素泊まり:6,050円〜、2食つき:10,450円〜(税込、一人泊の場合)。土日でも一人泊可。
    • 温泉:単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)、内湯(男湯、女湯)
    • 食事:夕食18:30ごろ、朝食8:00ごろ。朝夕ともに食事処。※かっちりと決まっているわけではない。
    • その他
      • 川渡温泉駅からの送迎可。(要予約)
      • 自販機なし。作務衣風の館内着あり

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川渡(かわたび)温泉にやってきました。無人駅。ここで降りる人はほとんどおらず、地元の方以外は鳴子温泉に向かっているよう。ちょうど紅葉が綺麗な時期で、車窓からの山々が素晴らしかったです。
田畑に囲まれたのどかな温泉地で、素朴な風情のある川渡温泉。昔ながらの自炊湯治宿や家庭的な温泉宿が点在しています。この藤島旅館は歴史のある宿で、熱めの湯が魅力と温泉街で出会った方に勧められました。
高東旅館。鳴子温泉郷の中で宿泊してみたい宿の一つです。
そして、今回宿泊させていただいた「みやま」。川渡温泉駅からは徒歩20〜30分。送迎もしていただけます。車道から少し外れた田んぼの前に建っていました。こちらは別館。
今回宿泊した本館(右側)と茅葺き屋根の母屋。ご家族で経営されており、田舎のお家にお邪魔したような雰囲気。部屋数はそこそこあるものの、一日に2〜3組しか取らないよう。静かな館内でゆっくり過ごせるのもいいですね。
本館は湯治向きの棟。各部屋にはキッチン、食器棚、デスクがついています。建物は古いものの、きちんと片付けられて、過ごしやすい。
そして、お楽しみの温泉!浴室は金山杉をはじめとした杉材でできているため、木の香りがとってもいい。ベッコウ色の単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)。ぬるめで、柔らかな肌触りでした。
別館にあるフリースペース。宿泊者は自由に使えます。湯上がりに、ここで寛ぎました。
ご飯は食事処でいただきます。といっても二日間とも、利用者は私一人だけ。他の方は部屋食や自炊のよう。ゆっくりいただけました。掘りごたつとテーブル席があります。
ご飯が進む献立。農家をされているので、畑で採れた野菜とお米を使っているそう。元気になりますね。「明日どこ行くの?それなら、ここがいいよ。」と、優しいご主人とのお話も楽しい。
朝ごはんもとっても豪華!朝風呂&散歩を楽しんだ後の8時に朝食。ササニシキのお米をペロリといただきました!
二日目の夕食。汁物、煮物、茶碗蒸し、山菜、ホイル焼き、ご飯、お漬物というのが基本スタイル。おいしかったです。
朝の散歩がとても気持ち良かった!春は菜の花畑になる川渡大橋までくると、見事な虹!!鳴子ではよく虹が出るそうですよ。
江合川(えあい)の河川敷からの景色がとってもいい。紅葉した山と朝霜で真っ白になった山のコントラストが美しかった…。
なんだか懐かしい…。そんな気持ちになる風景。晩秋のよい時期に訪れることができました。

川渡温泉 ~ 東鳴子温泉 ~ 鳴子温泉

鳴子温泉郷は「鳴子温泉」「東鳴子温泉」「川渡温泉」「中山平温泉」「鬼首温泉」の5ヶ所の温泉地からなる一大温泉郷。鳴子温泉〜川渡温泉までは徒歩1時間程度なので、歩くのが苦にならない人であれば、のんびり歩きながら湯めぐりができます。同じエリアでも、泉質が全く異なる温泉が多く、まるで温泉のテーマパーク。一度の旅行ではその魅力の一端に触れるだけ。今回は4つの温泉に行きましたが、どれも個性があり、極上湯。当然、源泉掛け流しです。

  • 立ち寄った温泉
    • 馬場乃湯•壱號(貸切風呂&公共浴場) 利用時間10:00-15:00 大人300円
    • 高友旅館 利用時間10:00-15:00 大人500円
    • 滝の湯公式HP 利用時間7:30-21:00 大人300円
    • 西多賀旅館公式HP 利用時間11:00-14:00 大人500円

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二日目は湯めぐり。川渡温泉を出発して、馬場温泉 - 高友旅館 - 滝の湯 - 鳴子峡 - 西多賀旅館 と行きました。そこそこ距離はあるので、電車やタクシーを使うのも一つ(電車の本数は少ないので注意)。菅原分店の女将さんには「この辺の人たちは車にすぐに乗るからね〜。歩いていると変人だと思われるよ。」と言われました笑。
菅原分店にいらした方から教えていただいた馬場温泉の共同湯。個性的なお湯で、とても良かったです。Googleで調べた営業開始の9時に意気揚々と訪れましたが、10時開始…。ドアの案内に書かれていました。馬場温泉旅館前でしばらく待っていると、宿の方が気づいて、開始前なのに利用させていただきました。ありがとうございます…。
真っ黒の湯に、アワアワ。さらに芳しい香りがします。なんて個性的な!熱めの湯で少し寒かったこの日は、たまらなく気持ち良かったです。いいお湯なうえに、貸切風呂。夕方に通り過ぎた際は、駐車場はいっぱいでした。早めの時間に、ぜひ立ち寄りたい!
今回が初の鳴子温泉エリア。やはり、黒湯で有名な高友温泉は外せない…と訪れました。東鳴子エリアにあります。館内は、ぼ、ボロボロ!?掃除も行き届いていないので、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、やはり個性的な湯です。
 レトロな雰囲気の館内。楽しみにしていた黒湯は女性湯が改装中で、混浴のみ。誰もいなければ…とも思っていましたが、さすがは有名な温泉。男性客が先行していたので、諦めました。。
女性専用湯のラムネ風呂へ。ナトリウム-炭酸水素塩泉 低張性中性高温泉。『ラムネ』の名の通り、アワアワの湯。時折、ぼこぼこっという音も聞こえます。こちらも、なかなかない個性的なお湯でした。
大友旅館といさぜん旅館。東鳴子にある旅館で、名湯と有名。次回、宿泊したい。狙っています。。
鳴子温泉エリアにある滝の湯。含硫黄・ナトリウム・アルミニウム・カルシウム・鉄-硫酸塩泉 低張性酸性高温泉。phは2.8と酸性です。白濁した硫黄泉で体が温まりました。さきの二つの温泉と異なる泉質で、それがまた面白い。
 11時前後に訪れたので、それほど混み合っていませんでしたが、入場制限で並ぶこともあるそう。この滝の湯のお隣には、うなぎの湯で有名な「ゆさや」があります。(出典:鳴子温泉 滝の湯公式HP)
そして、この日最後に訪れたのは、西多賀旅館。普通の一軒家といった風情の建物。昔ながらの湯治宿です。
小さめの浴槽に、源泉が掛け流しされています。無色透明の湯が空気に触れて、緑乳白色に。含硫黄・ナトリゥム・炭酸水素塩・硫酸塩泉(硫化水素型)。肌にやさしいあたたまりの湯だそうで、極上湯。本当にどこも素晴らしいお湯。鳴子おそるべし…。
鳴子のシンボルといえばこけし。古くから木地業が盛んで湯治客に向けた土産物として広がったそう。伝統こけしは12系統に分類され、その産地はすべて東北。それぞれの産地で絵付けや形が異なります。残念ながら、時代とともに廃れていっている印象は受けますが、今にあった形でこけし文化が残って欲しいです。
あわよくば鳴子峡の紅葉を見れるか…と少し足を延ばしました。葉は落ちていて、閑散…。ちょっと怖いくらいの雰囲気だったので、そそくさと温泉街に戻りました。紅葉を見るなら、11月上旬が良さそうでした。

cafeめぐり

川渡温泉〜鳴子温泉と歩く道すがらに見つけたカフェ。雰囲気が良いな…と入ったお店は、どこも個性あり。居心地もよく、とても良かったです。最近、お店が増えているそうで、新しい鳴子の魅力が垣間見えました。

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みやまのすぐ近くにあるCafe 「さとのわ光種Rishu」。店名も素敵。山形の飯豊に残っていた歴史ある小屋を移築して作ったそう。随所にこだわりが感じられて、とっても雰囲気のよいCafeでした。
今回はカフェ利用。プリンとコーヒーのセットをいただきました。ランチも美味しそう。
目の前には田んぼと里山が広がっていて、借景が素晴らしい。販売しているかごや食器、南部鉄器も素敵でした。
素晴らしかったジェラート屋さん。鳴子の野菜と温泉を素材に使ったジェラートは、独創的で美味しい!二日連チャンで訪れてしまいました。人気店で、肌寒い日なのに訪れるお客さんが絶えなかったです。
右側が少し緑色がかった鳴子産ふきのとう&仙台味噌。左側が塩竈の藻塩ミルク。もう、この組み合わせだけでもワクワク!残念ながら、この11月で鳴子店は閉店し、表参道に出店するそう。東京でも人気が出るだろうなあ。
そして、鳴子温泉駅から10分ほど歩いたところにある菅原分店765。温泉インフルエンサーさん達のXの投稿で存在を知っていましたが、面白いお店。なんと、7:00-15:00で営業されている呑み屋さんです。
おにぎり定食(すじこ、柚子胡椒クリームチーズ)と豚汁を注文。お酒なしももちろんOK。温泉通のお客さんが多く、鳴子情報センターのよう。近くの宿をとって、昼呑みをしたいですね。
そして、Gutto。若いシェフが料理されていましたが、とっても美味しく、居心地も良いカフェ。
Gutto lunch plate.「伊達ざくらポーク」のローストポークと、もちっとしたフォカッチャ、さつまいものキッシュ、
なめこの小鉢、サラダ、オニオンスープ。どれもとっても美味しい!印象に残ったのがオニオンスープ。ローストポークを作る際に下に敷いたオニオンを使っていて、旨みとコクがあって深い味わいでした。
鳴子温泉駅。温泉郷の中心地ですが、訪れた週末は混雑もなく、静かな温泉街を楽しめました。
今回はカフェに注目しましたが、昔ながらの温泉街の雰囲気がしっかり残っています。
温泉とのどかな街並み、美味しいご飯とお酒。季節を変えて、また訪れます。

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