5月 山と温泉 近畿

[比叡山、不動温泉] 延暦寺の寺院巡りと関西随一のラジウム泉

東には日本一の琵琶湖、西には古都・京都の街並みを一望できる比叡山。山頂には、最澄が開いた天台宗総本山の延暦寺があります。法然や栄西、道元、日蓮や親鸞など仏教の各宗派の開祖が比叡山で学んでいたこともあり、比叡山は日本仏教の母山とも言われるようです。
今回は、滋賀側から入って寺院巡りをして、京都側にある不動温泉に立ち寄るコースに。登山道としてはあまり面白みはありませんが、寺院巡りや温泉と組み合わせて充実度アップ。不動温泉は泉質がよいことはもちろん、昭和レトロな雰囲気が唯一無二。なかなかおもしろい一日になりました。

  • 日:2024/05/11 (土)
  • コース:比叡山坂本駅 - 日吉大社 - 比叡山東塔 - 比叡山西塔 - 比叡山頂バス停
  • 標準コースタイム:約4時間強 ※寺院をゆっくり拝観する場合、さらに1時間ほど必要
  • 難易度:初級
  • 温泉:京都北白川 不動温泉 営業時間10:00-18:00、大人1,300円
  • アクセス
    • 往路
      • [電車] 大阪 - 比叡山坂本 約1時間 990円
    • 復路 ※不動温泉に立ち寄るため
      • [バス] 比叡山頂 - 地蔵谷 約30分 570円
      • [バス] 地蔵谷 - 京都駅前 約45分 230円
      • [電車] 京都 - 大阪 約30分 580円

ケーブルカー・ロープウェイの利用
滋賀側には坂本ケーブルが、京都側は叡山ケーブル・ロープウェイがあり、登山をしなくても比叡山山頂まで行くことができます。特に坂本ケーブルは琵琶湖を一望できるのが魅力。お手軽に登りたいときは利用するのも一つですね。

バスの注意点
比叡山関係のバスは12月中旬〜3月下旬まではオフシーズン。運行されません。
また、京都のバスは混み合い、遅れることも多いです。時間には余裕を持って計画してください。

写真

JR比叡山坂本駅。琵琶湖側はタクシー・バス乗り場になっていて、綺麗なトイレもありました。駅構内にコンビニやパン屋なども入っています。ここから登山道入口までは徒歩30分ほど。
こちらは京阪電車の坂本比叡山口駅。JRからは徒歩10分ほどです。それほど距離はないので、利用しやすい鉄道で行くのが良いですね。京阪駅前に観光案内所があります。この坂本観光案内協会HPを見ると、坂本には延暦寺をはじめとした寺院や茶屋など名所・名店があるよう。静かできれいな街並みなので、まち歩きも楽しめそうです。
そう。現在の坂本は、延暦寺の東の玄関口として、また「山王さん」の総本山、日吉大社の門前町として知られています。
坂本一帯は平成9年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているよう。この日吉馬場(ひよしのばんば)と呼ばれる京阪坂本駅から日吉大社までの県道の両側には寺院がひしめき合っていて、桜の時期には約200本の桜で満開になるそうですよ。
全国に約3,800社あるの日吉・日枝・山王神社の総本社である日吉大社。
日吉大社の左横にある石段が表参道の入り口。絶好の登山日和で、さぞかし登山客がいるかなと予想していましたが、とても静か。観光客やウォーキングの方も含めて、数名が利用している程度でした。日本一長い坂本ケーブルはさらに南側に進んだところにあります。琵琶湖が一望できるので、クイックに山頂に行きたい方はケーブルを利用するのも一つ。
石段を登り切ったところ。ここに車を停めることもできます。進むと左右二つの道があり、左側に進みます。標識や案内板はありません。
振り返ると琵琶湖がうつくしい。。
いよいよ登山道が始まります。ここはどちらを進んでも問題ありませんが、階段を登る方が急勾配&ショートカット。今回は階段をチョイス。
階段を登った先の登山道はこんな感じです。標識はありませんが、明瞭な登山道で道幅もそれなりにあります。単調な登りが続くものの、勾配はそれほどキツくなく、歩きやすい。
山頂に近づくにつれて、「比叡山」のタスキが木にぶら下がっていました。
杉が中心ですが、きれい。秋やキンと冷える冬の朝の景色も良さそうですね。
てくてくてく。
静かな山道で鳥の囀りが耳に心地いい。
山頂に近づくと、延暦寺の関連施設がでてきます。比叡山といえば延暦寺。この寺院巡りも登山の楽しみの一つですね。延暦寺は、東塔(とうどう)、西塔、横川(よかわ)三つのエリアに分かれています。坂本から登った先にあるのは東塔。重要な堂塔、国宝殿が集結しているエリアです。
文殊楼。延暦寺の総門としての性格も持っているよう。東塔の入り口のようなものでしょうか。
そして、文殊楼の先にある根本中堂。延暦寺の総本堂で最も重要な施設です。現在は平成28年から十年かけて行われる大改修の最中。工事中も参拝できるように処置されており、最澄が火を灯してから1,200年間途絶えることなく灯し続けられた「不滅の法灯」を見ることもできます。
開運の鐘 (世界平和の鐘)。一回100円で鐘をつくことができます。そのため、観光客がついた「ご〜ん、ご〜ん」という音が比叡山一帯に響いています。お寺の鐘の音って、決してうるさくはならない。なぜか安心する響きですね。
東塔の阿弥陀堂。檀信徒の先祖回向の道場。
法華総持院東塔。ここから山頂の大比叡に行くこともできますが、展望も見所もなく、あまりおすすめしません。今回は静かな西塔に行ってみました。
この日はトレラン大会のおかげで賑わいがありましたが、普段は西塔にまで足を延ばす人は少なく、静かなエリアだと思います。
全体的に平坦な歩きが多く、足を延ばすのもそれほど負担ありません。
西塔は修行のお堂が集まるエリア。弁慶が住んでいたのもこのエリアのようです。
常行堂・法華堂。同じ形をしたお堂が廊下によって繋がれています。弁慶が両堂を繋ぐ廊下に肩を入れて担ったとの言い伝えから「弁慶のにない堂」とも呼ばれています。
西塔の本堂にあたる釈迦堂。
東塔と西塔の分岐まで引き返し、京都側のロープウェイがある比叡山山頂駅方面に進みます。
展望のよいスポットで小休止。ご飯にしました。ここからロープウェイ比叡駅に続く道と山頂バス停・駐車場にむかう林道があります。今回は山頂からバスで地蔵谷の不動温泉に行くため、山頂バス停に向かいます。
見頃を迎えていたツツジ
比叡山山頂バス停。このバス停・駐車場からの展望が実はいいですよ。京阪バス・京都バスが京都駅までのバスを出していますが、本数は少ないので要注意。土日の場合は1時間に1本程度です。(写真は別日に撮影したもの)
山頂から30分ほどで地蔵谷に到着。谷間のうねうねとした山道にポツンと不動温泉と旅館二軒が建っています。寺院ののぼりが立った建物に入ると不動温泉へ。
受付はなく、休憩所で温泉の案内を聞いてから入浴です。3〜4人が入れそうな比較的こじんまりとした浴槽。この不動温泉は全国でもトップクラスのラジウム含有量を誇る天然温泉。泉質は単純放射能霊鉱泉。まろやかなお湯で、お肌がモチッとします。(出典:不動温泉公式インスタグラム)
昭和レトロな建物で、独特な雰囲気は唯一無二かもしれません。湯治目的の方もおられ、入浴とお昼寝を繰り返される方もいるようでした。湯上がりにいただいた煮麺800円が美味しかった〜。温泉で作っているようで、カツオの出汁が効いています。
なかなか印象深い温泉でした…。また、ゆっくり入浴しに来たいです。

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