10月 山と温泉 東北

[羽黒山、湯田川温泉] 現世の幸せを祈る山、羽黒山へ

羽黒山、月山、湯殿山の総称、出羽三山。羽黒山は現世の幸せを祈る山、月山は死後の安楽と往生を祈る山、湯殿山は生まれ変わりを祈る山と言われています。現在、過去、未来を巡る三山の参拝をしたかったのですが、今回はアクセスの都合で月山と羽黒山へ。山形の旅、三日目は羽黒山の厳かな参道を歩きました。

  • 日:2023/10/14(土) - 10/15(日)
  • 旅程
    • 10/14 志津温泉 - 月山登山 - 湯田川温泉
    • 10/15 湯田川温泉 - 羽黒山参拝 - 鶴岡 - 山形 - 山形空港 - 大阪(伊丹)
  • 出羽三山の旅の二日目後半と三日目の記録です。前半の月山の記録はこちら

湯田川温泉 隼人旅館

県内の全市町村に源泉が湧く山形。行ってみたい温泉がたくさんあります。肘折温泉、赤湯温泉、蔵王温泉、青根温泉、かみのやま温泉…。その一つである湯田川温泉に行ってきました。今回訪れた隼人旅館は、温泉、お食事、居心地と全てが素晴らしい宿。月山からは交通の便が悪いのですが、行って本当によかったです。

  • 隼人旅館
    • プラン:品数少なめでお得に庄内を食すプラン 13,900円
    • 月山下山後、15:01の姥沢発のバスに乗って、湯田川温泉に到着するのが18:30…。チェックインが遅くなる旨を事前に宿に連絡しています。
  • アクセス

写真

月山の登山を終えて、湯田川温泉へ移動します。西川バスで姥沢〜月山口へ。ここから高速バスに乗り、鶴岡に向かいます。待合室はカメムシだらけ…。仕方がないので、ビュンビュン車が通り過ぎる道の歩道に立ってやり過ごしました。
月山口〜鶴岡のエスモールバスターミナルへ。そこで湯田川行きのバスを1時間半ほど待って、ようやく到着。なかなかにアクセスは悪かったです。訪れた隼人旅館は創業300年の歴史のある旅館。堅苦しい雰囲気はなく、山伏をされているご主人の温かいもてなしにホッ。癒されました。
案内いただいた部屋は、ひとり泊にはもったいないくらいの立派な部屋。出窓コーナーには寛ぎスペースと洗面台もあります。(テレビ、冷蔵庫、FreeWifiあり)
食事は一階にある個室でゆっくりいただきました。どれも丁寧に調理されていて美味しかったです。お造り(ぶり、甘エビ、鯛)、あけびと舞茸の肉和え、小鉢(胡麻豆腐、菊、いもがら)、魚の小鉢(酒、からとり芋、万願寺とうがらし)、天ぷら、豚の陶板焼、芋煮、漬け物、ご飯、くだもの。山形の地物中心のお料理がうれしい…。
とりわけ嬉しかったのが、お造りとあけびのお料理。赤みがかった鯛の身質が地物の特徴。どれも旨みが豊かでした。あけびの皮の料理は郷土料理の一つ。ピリッとした苦みが甘辛い肉とマッチします。おかみさんに色々と教えていただきました。
9月下旬から10月は芋煮の季節。味噌ベースで、庄内豚や里芋、ネギ、しめじなどが入っています。滋味深いおいしさ。内陸地方が牛肉&甘めの醤油味なのに対して、庄内地方は豚&味噌味。地域による味付けの違いも面白いですね。
そして、むかごご飯が美味しい!ビールも飲んでお腹はいっぱいですが、しっかり全部いただきました。
温泉も素晴らしかった!湯量が豊富でどぱどぱと源泉が注がれています。こじんまりとした浴槽ですが、新鮮な温泉が保たれているということ。客室は8室しかないので時間をずらせば、ゆっくりと一人で堪能できます。硫酸塩泉で、浴後はお肌がモチモチになりました。
翌朝は7:55のバスに乗る必要があったため、早朝に散策しました。八軒の宿が軒を並べた小さな温泉街。静かでよい雰囲気。写真ではわかりにくいのですが、この道の正面には鳥海山が聳えています。
共同浴場の正面湯。全国でも屈指の新湯注入率を誇る源泉かけ流しの温泉です。時間があれば入浴したかったです…。開湯して1,300年が経つ歴史ある湯田川温泉。種田山頭火や竹久夢二などの文人が逗留したことでも有名のよう。教師時代の藤沢周平の赴任地でもあり、記念碑があります。
春は筍の孟宗、夏はだだちゃ豆が有名。時期を変えて再訪したいですね。
朝ごはんもとても美味しかったです!とても満足したお宿でした。

羽黒山

羽黒山は修験道を中心とした山岳信仰の山として知られ、付近には、山で修行を続ける現役の山伏たちが営む宿坊街もあります。訪れた日は雨がぱらつき、参拝日和ではありませんでしたが、年配の方を中心に色々な層の方が訪れていました。

  • コース:随神門 - 山頂 - 随神門
  • コースタイム:約2時間半〜3時間
  • アクセス
    • 往路
    • 復路
      • [バス] 羽黒随神門 - エスモールバスターミナル 約40分 840円
      • [バス] エスモールバスターミナル - 山形県庁前 約1時間45分 2,600円 山交バス時刻表
      • [バス] 県庁前 - 山形空港 約25分 1,300円 空港シャトル時刻表

写真

湯田川温泉からエスモールバスターミナルへ行き、羽黒山行きのバスを待ちます。FreeWifi付きのきれいな待合室。待ち時間は苦になりませんでした。
鳥居の奥に見える赤い山門が、随神門。悪霊の侵入を防ぐ随神が左右に鎮座しています。人の世界とご神域を分つ門です。
随神門をくぐると、空気がガラリと変わります。杉の大木が立ち並ぶ厳かな雰囲気。継子坂を下り、参詣道を進みます。
多くの神様が祀られています。つるおか観光ナビサイトにある境内図イラストで、広い境内の概要がわかりますよ。
祓川と須賀の滝。昔は祓川で身を清め、登拝したそうです。
平将門の創建と伝えられる五重塔(国宝)を過ぎると、いよいよ石段が続きます。2023年5月〜2025年春にかけて、茅葺き屋根の修繕工事が行われるため、五重塔は幕で覆われていました。
石段は2,446段あるそうです。登山としてみれば軽いですが、参拝としてはなかなかにキツいかもしれません。この日は雨がパラついて、滑りやすい箇所もありました。ちょっとしんどいかなと思う頃に二の坂茶屋があり、休憩して行かれる方もいます。
山頂まで、樹齢350〜500年の杉並木が続いています。敬い、守ってきた証で、ある種の神聖さを感じました。
山頂に到着。月山・羽黒山・湯殿山の三神を合祭した三神合祭殿をはじめ、鏡池や精進料理がいただける斎館(要予約)などがあります。
表参道を歩かずに、バスで山頂に来ることもできます。随神門から山頂までコースタイム1時間半ですが、道々参拝しているとあっという間。帰りは早足で下山しました。
羽黒山から鶴岡駅に戻ると昼過ぎだったため、駅前のマリカ東館FOODEVERでご飯をすることにしました。お店が少ない鶴岡駅周辺ですが、このマリカには土産物屋やイートインコーナーがあります。
蕎麦屋の結心で、肉中華を食べました。庄内名物の麦切りをいただくこともできます。
食後はマリカ西館の土産物店清川屋へ。ここで購入したつや姫の新米が最高によかった!!関西に戻った後も数日、美味しいご飯を堪能しました。山形はさくらんぼやラ・フランス、シャインマスカットなど果物も美味しいです。時期が合えば、ぜひ購入したいですね。

鶴岡から山形空港まではなかなかの距離。帰りの高速バスが30分近く予定時刻より遅れ、フライトに遅れないかヒヤヒヤしました。混雑が予想される日や時間は、乗合タクシーなど別のプランも考えていた方が良いかもしれません。

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