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泊まってよかった宿5選 2023

いろいろな情報を参考に、2023年は温泉巡りをしました。このブログで紹介している宿はどこも満足度が高いところばかり。その中でも印象に残っている宿を5つ選んでみました。わたしが重視しているのは「温泉の泉質が良いこと」「食事が美味しいこと」「寛げること」「一人で気軽に宿泊しやすいお値段であること」。今回選んだ宿は、この観点のバランスが良くておすすめです!

宿所在地コメント
旅庵 蕗薹大分富貴寺のご住職一家と地元のお母さま方がもてなしてくれるコスパ抜群の宿
隼人旅館山形庄内の郷土料理中心の和食会席が美味しい!湯田川温泉の老舗旅館
駒ヶ岳温泉秋田駒ヶ岳温泉と乳頭温泉鶴の湯。贅沢すぎる温泉が楽しめる宿
田島本館鹿児島清掃が行き届いた館内とゆったりした時間でとにかく寛げる湯治宿
酸ヶ湯温泉青森八甲田山麓の歴史のある湯治宿。登山向けのサービスも充実!

旅庵 蕗薹(ふきのとう)

大分県国東半島にある国宝・富貴寺本堂と隣接する旅庵 蕗薹。富貴寺のご住職一家と地元のお母さま方がもてなしてくれるお宿。

おしゃれな外観で、食事や受付をする母屋と宿泊棟5部屋、離れ3部屋の構成です。
宿泊棟一泊二食付13,000円〜、離れ一泊二食付14,500円〜(一人泊の場合)と、とってもリーズナブル。

宿泊したのは宿泊棟の和室。8畳の広々とした室内には、リラクジングチェアやデスクワークスペース、くつろぎスペースが設けられています。そして、洗面所、トイレ付き!
受付をしたら基本は自由。各自のペースで、お茶を入れたり、温泉に入ったり、布団を敷くというスタイルです。
サービス過多でお値段が高くなるよりも、「快適な空間と食事、お風呂を提供するので、あとは自由に寛いでくださいね」とメリハリをきかせてリーズナブルなお値段で提供いただけるのがありがたいですね。

宿泊者限定の富貴寺温泉。炭酸水素塩泉でメタケイ酸を多く含んでいるようです。少し濁った笹色のお湯でお肌はしっとり、ぬるめの湯に癒されました。

そして、感激したのがお食事。近隣の農家の方がつくった食材を丁寧に調理されていて、とっても美味しい!!前菜プレート(胡麻豆腐、さつま芋の金時、大根おろしと椎茸・油揚げ、鶏のバジルソース、にんじん、ひじき、白和、栗きんとん、蒟蒻の刺身、里芋)、菊芋のすり流し、烏骨鶏の茶碗蒸し、里芋の揚げまんじゅう、車海老の白菜巻き、鴨鍋と雑炊、そば、漬物、生姜湯。素材を生かした味付けで、どれも想像を超えたおいしさ。
上品で深い味わいに驚いた菊芋のすり流し、香り高い蕎麦、カアっと体が温まる生姜湯が絶品!!

そして、こんな素敵な料理を運んでくださるのが、地元のお母様方。ホテルのサービスマンのように洗練されてはいませんが、友人の家に遊びにいった時のような一生懸命なもてなしが伝わってきます。そんなお母様方を温かく見守る女将さん…なんだかジンと来ました。

お食事、温泉、居心地、お値段ととても満足度が高いのですが、アクセスはよくありません。
一日に数本しかないバスで近くまで行くか、車を借りて行くか…この2択になります。

宿でくつろぐだけでも十分リフレッシュする価値がありますが、車を借りて国東半島を巡るもよし、富貴寺で座禅やヨガの体験をするもよし…。

私自身は国東半島峯道トレイルとの組み合わせでややマニアックですが、その分印象深い体験となりました。

2023年のマイベスト宿です。(国東半島トレイルと蕗薹宿泊記)

湯田川温泉 隼人旅館

月山の登山後、一日に10本弱しかないバスに乗ってようやく辿り着いた隼人旅館。
ユーモラスなご主人が出迎えてくださって、なんだかホッとしたのを覚えています。「月山では山伏を見かけました。」と伝えると、「私も山伏なんですよ!」とご主人。山岳信仰の息づくこの地らしいな…と思いました。

案内いただいた部屋は、一人泊にはもったいないくらいの立派な和室。
出窓コーナーには、ソファと洗面台もあります。(トイレは共用)

そして、お食事は一階にある個室でいたただきます。
プライベートな空間が保たれているので、ひとり旅を始める人にもおすすすめ!

そして、庄内の郷土料理がとっても美味しい!
お造り(ぶり、甘エビ、鯛)、アケビと舞茸の肉和え、小鉢(胡麻豆腐、菊、いもがら)、魚の小鉢(鮭、からとり芋、万願寺とうがらし)、天ぷら、豚の陶板焼、芋煮、漬物、ご飯、果物。山形の地物中心のお料。品数少なめのリーズナブルプランですが、とても豪華です。

旨み豊かなお造り、ピリッとした苦味と甘辛い肉がマッチするアケビの肉和え、庄内豚や里芋、ネギ、しめじなどがたっぷり入った滋味深いおいしさの芋煮、新米のむかごご飯に感激しました…。

庄内地方の料理をいろいろと教えてくださる女将さん、「バスの本数が少ないから、この時間のバスに乗るといいよ」と気にかけてくださるご主人。温かい心遣いがうれしい。

もちろん、温泉も素晴らしい!
湯田川温泉の源泉かけ流し、加水加温せずそのままの温泉が提供されています。
湯量が豊富でドバドバと源泉が注がれています。こじんまりとした浴槽なため、つねに新鮮な温泉が保たれているということ。
客室は8室しかないため、時間をずらせば、ひとりでゆっくり堪能できます。ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。湯田川温泉は「傷の湯」や「脳卒中の湯」とも呼ばれる湯治に適した湯のようですよ。

お部屋も食事も温泉もこれだけ充実していて、一泊二食8,500円〜(一人泊の場合)。価値ありです!

鳥海山や出羽三山と組み合わせて訪れるのも一つ。
その中でも羽黒山が比較的行きやすいです。修験道を中心とした山岳信仰の山と知られ、参詣道は杉の大木が立ち並ぶ厳かな雰囲気。ゆっくりと歩いてお参りするだけでも、十分に気持ちがリセットされました。

交通の便が少し悪いので、公共交通機関を利用する場合は事前に下調べしておくのがいいですね。

月山、志津温泉羽黒山、湯田川温泉のブログもご覧になってください!

駒ヶ岳温泉

贅沢すぎる温泉体験ができる宿…それが駒ヶ岳温泉の印象です。
空気に触れないように地下パイプから送られる上質な湯、ヒバで造られた大浴場、渓流を眺めながる入浴できる貸切風呂…駒ヶ岳温泉だけでも十分素晴らしいです。さらに、姉妹店の乳頭温泉鶴の湯の極上湯を堪能できる贅沢。鶴の湯を一人泊するのはかなり難しいですが、このサービスを利用すれば、宿泊者しかいない夜にゆっくり楽しめます。

駒ヶ岳温泉の貸切露天風呂は「岩の湯」と「木の湯」の2つがあり、空いていれば利用できるシステム。川のせせらぎを聞きながら、ひとりでのんびり寛ぎました。

出典:日本秘湯を守る会HP(混浴露天風呂)

鶴の湯に、20時から1時間利用できるサービスもとてもうれしい。白湯・黒湯・中の湯・滝の湯の4つの源泉があり、いずれも自噴しています。「源泉かけ流し」だけでも稀少価値がある現代ですが、自噴泉ともなれば極めて稀有な存在。抜群の泉質と風情のある温泉で人気随一の鶴の湯駒ヶ岳温泉の宿泊者の多くがこのサービスを利用しますが、人と被らないように入浴すれば、独泉できる時間もありました。

サービスはスリム化減らしつつも、温泉や食事の質、館内の清潔さはきちんと保たれています。さらに、鶴の湯のサービスもあって、一泊二食11,000円〜。リーズナブルなお値段で価値ありです。

また、田沢湖〜乳頭温泉のバスが定期的にあるので、アクセスも悪くありません。玉川温泉まで繋ぐ乳頭線が復活すれば、秋田駒〜八幡平と直通バスで行けて最高なのですが…。

夏や秋の秋田駒ヶ岳の登山時にまた利用したいですね!

妙見温泉 田島本館

時間がゆっくり流れて、居心地が最高によかったのが田島本館です。

天降川(あもりがわ)の渓谷沿いに温泉宿が立ち並ぶ妙見温泉。静かな一帯で、温泉宿と数軒の住宅しかありません。娯楽施設もないので、訪れるのは温泉目当ての方や地元のおじいちゃん、おばあちゃん。のんびりとした雰囲気で、歩いていると「あんたどこから来たん。ゆっくりね。」と気さくに話しかけられます。

明治時代に湯治場として創業された田島本館。古い建物ですが、清掃が行き届いており、みなが大切に利用してきたことが伺えます。中高年以上の方が多く、お客様の層もいいのかもしれません。

川に面した部屋にさんさんと降り注ぐ日差しを眺めながら、こたつでほっこり。
自炊場もあるので、簡単な料理を自分でつくって過ごすもよし、宿の食事をいただくのもよし…。
あちこちに観光に行くよりも、ここでゆっくり過ごすのが適した宿のように思います。

温泉は上質な炭酸水素塩。立ち寄り湯もできる神経痛の湯、宿泊者限定のきず湯、胃腸湯の3種類のお湯があります。どのお湯もよく、湯上がりは肌がしっとり。

妙見温泉はどの宿も評判で、ほかにも 秀水湯、ねむ、きらく温泉、おりはし旅館、田中会館、田島本館、雅叙園、石原荘、楽園荘などがあります。高級×リーズナブルの組み合わせや、次に泊まってみたい宿の下見として湯めぐりするのもいいですね。

霧島、妙見温泉のブログもご覧になってください。

酸ヶ湯温泉

出典:酸ヶ湯温泉公式HP

八甲田山の登山口すぐ横にある酸ヶ湯温泉。
昭和29年に国民保有温泉地第一号に指定された湯治場で、ph2.0を切る強い酸性のお湯は極上。じわっ〜と体が温まり、お肌はツルツルになります。
贅沢な温泉旅行を求めて訪れる人、湯治目的の人、登山をしに訪れる人…様々な客層に応えるサービスも充実。色々な価格帯の宿泊プランがあります。
天気が悪くて八甲田山に登ることはできなかったものの、個人的には次のようなサービスが有難いな…と思います。
 ・送迎バス:事前に希望を伝えれば、八甲田ロープウェイでの下車可能
 ・お弁当:前日までに予約をすればお弁当の購入が可能。受取は当日朝5:30から
 ・荷物デポ:チェックイン前、チェックアウト後に登山する際、荷物を預けることが可能
八甲田山を登るとなると、第一候補の宿泊先として、この酸ヶ湯温泉が頭に浮かびます。

1日2回の送迎バスのおかげで、青森駅からのアクセスもまずまず良好。周りには、谷内温泉、猿倉温泉、蔦温泉などの上質な温泉や十和田湖、奥入瀬渓谷もあります。

八甲田山の登山口は目と鼻の先。クマやシカが生息しているのだろうと感じさせられる深い森の山でした。また、機会を見て再訪したいですね。

八甲田山、蔦温泉青森、酸ヶ湯温泉のブログ。

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