
夏が近づくにつれて、北へ北へと涼しい場所を求めてしまう昨今。
山菜コースが評判の安代館に、志賀高原を組み合わせて行ってきました。
大阪からは移動時間5時間半となかなかの道のりですが、上質な温泉と温かい接客、おいしい料理に感動!
古い街並みや周りの山々もうつくしく、お気に入りの温泉地が増えました。本ブログは1日目の記録。2日目は[志賀高原、わくわくの湯] 新緑はこんなにもうつくしい
- 日:2025/6/1(日) - 6/2(月)
- 旅程
- 6/1:大阪 - 湯田中 -食堂よろしき日 - 角間温泉 -安代館
- 6/2:安代館 - 志賀高原 - THE FARMHOUSE - わくわくの湯 - 湯田中 - 大阪
- アクセス ※往復同じ
- [電車] 大阪 - 名古屋 - 長野 - 湯田中 約5時間半 約14,000円 (新幹線利用)
アクセスについて
東京から:東京 - 長野 - 湯田中 約2時間半弱 約9,000円~10,000円
大阪から:南海バスの夜行バスがあり、大阪駅桜橋口 - 湯田中駅 約8時間半 9,300円の行き方あり
目次
角間温泉~渋温泉~安代温泉 さんぽ
天気がいまいちな初日は、温泉街巡り。湯田中・渋温泉郷には、9つの個性的な温泉街があります。その中でも鄙びた湯治場の角間温泉、石畳の古い街並みを残した渋温泉が気になっていました。宿泊する安代館に行く前に、これらの温泉街をおさんぽ。
街並みもさることながら、まわりの自然がきれいで気持ちいい散策となりました。凛とした空気、雪を残した妙高山、青々とした志賀高原、道端の花々…。季節によってさまざまな表情が楽しめそうな温泉地でした。
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当初は、大阪から湯田中までの夜行バスで移動予定でした。バタバタしている間に日が経ち、前日に慌てて予約すると満席…。
というわけで、電車で移動です。
大阪 ~ 名古屋(または敦賀) ~ 長野 ~ 湯田中と移動して、約5時間半。なかなかの道のりでした。
長野から乗る長野電鉄は、駅員さんが切符を回収する昔ながらのスタイル。なんだか懐かしい。
インバウンドのおかげか、券売機はカードや交通系ICカードに対応していました。

長野から湯田中までは特急(+100円)で45分、信州中野で乗り換える普通電車に乗ると1時間10分ほど。
混雑はなかったですが、小布施、湯田中で降りる観光客が多い印象。
夜行バスは時間を有効に使えるけれど、街の雰囲気を楽しめる電車旅も好きです。
湯田中に近づくと、雪が残った妙高山が見えてテンションがあがる!

湯田中駅に到着。
駅を出ると『Information Center』や『Japanese Style Cafe』の看板が目に飛び込んできました。雪の時期には、地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)のスノーモンキーを見に来る外国人客が殺到するそう。
駅からは安代温泉~渋温泉方面のバスが出ています。本数は決して多くないので、事前に長電バスHPの時刻表を確認するのがベター。
温泉街を散策したかったので、バスを待たずに歩きます。
薄手のダウンがちょうどいいこの日。おさんぽが気持ちいい気候でした。

湯田中・渋温泉郷(ゆだなかしぶおんせんきょう)は、長野県山ノ内町にある歴史ある温泉地。開湯は1300年以上前とも言われ、古くから湯治場として親しまれてきています。9つの個性的な温泉街があり、駅に近い湯田中温泉や石畳の街並みが魅力の渋温泉、スノーモンキーで有名な地獄谷温泉、異なる泉質や雰囲気の安代温泉、角間温泉、上林温泉...などがあります。

駅から徒歩5分ほどにある『食堂よろしき日』へ。
ご夫妻がつくられた茶碗やステンドグラスで店内が彩られた店内。「よろしき日定食」「おでん定食」「豆腐丼」「スタミナ丼」といった家庭的だけれど、ちょっとひねりのある定食たち。

豆腐丼と葉ニンニクの餃子を注文しました。
豆腐丼はごまペーストが練りこまれてコクがあり、ネギやあられ、たくあんなどの薬味をアクセントに。葉ニンニクとひき肉で作られた餃子はガツンとパンチがあるけれど、後味さっぱりでおいしかったです。
この日はたまたま予約客が続いたそうで、店内は女性客でいっぱいに。みなさん、人気のおでん定食を注文されていました。

ランチのあとは、角間温泉と渋温泉の散策へ。湯田中温泉から角間温泉までは徒歩40分強。緩やかな登り坂を歩くので、なかなかに距離を感じます。湯田中駅から角間温泉方面のバスは本数も少なく、バス停からもやや距離があります。タクシーや宿の送迎を利用するのも一つですね。

ざあざあと流れる川音を聴きながらのお散歩。川沿いに咲いているお花がとにかくきれい!


だいぶ上がってきました。角間温泉は、観光地化されていない、昔ながらの湯治場の雰囲気が残る温泉地。宿泊してみたい温泉の一つです。

集落の民家の中に、突然レトロな建物が見えてきました!昔ながらの木造旅館で風情がありますね。
事前に見たWEB情報で越後屋を訪れましたが、現在は日帰り入浴はやっていないそう。残念…。「ようだや」が日帰り入浴をしている情報をその後に見つけましたが、事前連絡がベターでしょう。
宿泊して、静かにゆっくりと温泉を楽しむのが合う場所ですね。

角間大橋を渡り、渋温泉までやってきました。
こちらは、200年以上の歴史を持つ老舗の酒蔵 玉村本店。志賀高原の湧水と長野県産の酒米を使った日本酒「縁喜」と「志賀高原ビール」のクラフトビールが有名。このギャラリーでは有料で試飲もできますが、日曜日は定休日…翌日に、『THE FARMHOUSE』という直営のバー&レストランに行きましたよ。



渋温泉には九つの共同温泉があり、浴衣を着てこの共同湯をまわる「九湯めぐり」が人気です。すべてをめぐると『苦(九)労を流してご利益を授かる』そう。
主な泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉ですが、塩化物泉や単純温泉も含まれており、源泉によって泉質や温度が異なるのが魅力的。

風情ある街並みで印象に残ったのが、英語の注意書き。「No Credit Card. Only Cash.」といった注意書きがいろんなお店に貼られています。雪のシーズンに外国人が殺到して、温泉街が混乱したのでしょうか。。
この時期はあまり混雑していないようで、静かな温泉街を楽しめました。

山間に温泉地がひしめく湯田中・渋温泉郷。趣ある街並みや点在する個性的なお店、うつくしい山の景色...。
また訪れたいエリアが増えました。
安代館 絶品の山菜料理
今回の旅のメインの一つである安代館。旬の山菜料理を食べたいと楽しみにしていました。
結果は想像以上!!ご家族で作られた圧巻の山菜コースに加え、きびきびと働かれる女将さんの細やかな接客、美肌の湯、清潔な部屋…と大満足。時期を変えて、また訪れたいと思いました。
- 安代館
- 素泊まり:14,850円〜、2食つき:18,700円〜 (税込、一人泊の場合)。土曜・休前日以外は一人泊可
- 一人泊はやや割高に。複数人の場合はもう少しリーズナブル
- 利用したプラン: 1日10名限定 山菜プラン
- 温泉:弱アルカリ性単純塩泉、内湯(古代風呂・竜宮風呂) 夕食後、朝食後に男湯・女湯が入れ替わる 24時間入浴可
- 外湯:安代大湯、開花湯のみ。渋温泉は利用不可
- 食事:夕食18時(部屋食)、朝食8時(1階広間) ※異なる時間の場合は要相談
- +1,100円で朝食を部屋食にすることも可
- その他
- 現地決済は、現金またはPaypayのみ
- 送迎は、2名以上(2食付きの宿泊プラン)から対応可
- 素泊まり:14,850円〜、2食つき:18,700円〜 (税込、一人泊の場合)。土曜・休前日以外は一人泊可
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今回の旅のメインの一つである安代館に到着。
宿泊してみたかったお宿。明治時代に創業されたのか、立派な外観ですね。

扉を開けるとアットホームな雰囲気。
15時のチェックインよりも少し早い時間だったため、「座って、少しお待ちくださいね。」と女将。
フロント(帳場)と反対側のスペースには漫画読み放題の読書コーナーがあり、ここでゆっくりしました。漫画&本が3,000冊ほどあり、部屋に持ち込んで読むのもOK。

客室へ。扉を開けてまたびっくり。高級旅館のような佇まいです。
清掃は行き届いていており、トイレ・洗面所もきれい&おしゃれと早くもテンションがあがります。24年6月に客室・館内を改装されたそうで、クリーンで居心地のよいお部屋。(テレビ・冷蔵庫・FreeWifi・空気清浄機あり)
わたしは広縁のソファが気に入り、窓際でずっと過ごしました。

さらに、女性には色浴衣が用意されています。「浴衣&下駄で温泉街をお楽しみくださいね。」と。
この中から好きな浴衣が選べるんです。わたしは普段 浴衣を着ないのですが、思わず選んでしまいました。
アットホームな雰囲気と居心地よい部屋、細やかな接客と最高じゃないですか!!

ともあれ、まずは温泉です。
温泉もリニューアルされて、快適な更衣室。内湯は2つあり、こちらは古代湯。夕食後と朝食後に男湯と女湯の入れ替えがあり、両方の内湯を楽しめるようになっています。

こじんまりとした浴槽が2つ。私が入った際は、奥のタイル張りの湯が少し熱め、手前の檜造りの湯が適温でした。
少しとろみを感じるお湯で、湯上り後はお肌がすべすべに。泉質は弱アルカリ性単純塩泉。

夕食後に入った竜宮風呂。お湯加減がちょうどよく、いつまでも入っていられる気持ちよさ。薄茶色の湯花が舞ってました。
こちらの方が好みかもしれません。

そして、待ちに待った晩御飯!!
圧巻の山菜コースに思わず歓喜の声を上げてしまいました。
時計周りに、鯉の洗い(酢味噌)、小松菜、蜂の子、いなご、セリ(おひたし・ドレッシング)、根曲がり竹、馬刺し(生姜醤油)。どれもとってもおいしい。特に、馬刺しは臭みがなく、ジューシー。レモングラスのような風味のセリが気に入りました。

上段左手から、わらび(卵とじ・からし醤油)、こごみ(マヨネーズ和・ごまよごし)、うど(鶏肉と味噌マヨネーズ・肉巻)、行者ニンニク(醤油漬・酢味噌)、甘草(肉卵炒め・酢味噌和え)、うるい(酢味噌・シーチキンマヨネーズ)、ふき(きゃらぶき風・煮物)、こしあぶら(おひたし・黒ごまかけ)、のびる(醤油漬・ぬた)、ふきのとう(蕗味噌・甘酢和え)、たらのめ(味噌・白ごまかけ)、あさつき(煮干の粉しょうゆ漬・にんにく炒め)
圧巻の山菜コース!これだけの料理を女将さん・息子さんのご家族でつくられています。苦味・香り・食感…この時期だけの特別なコース。
らっきょうに似たのびると苦味が癖になるこしあぶらがお気に入りです。

まだまだ料理は続きます。鴨鍋、やまめの焼き魚、天ぷら(鯉、根曲がり竹、こごみ、こしあぶら、うど、山ぶどうの葉)、鯉の味噌汁、ふきとせりのおにぎり、デザート。
どれも味付けがよく、大満足。これだけのことをご家族だけで切り盛りされるのは大変だと思います。「息子にも『なんでこんな大変なコースを始めたんだ』と初めは怒られたんですけど、今は手伝ってくれるんですよ。」と嬉しそうにお話された女将さんが印象に残っています。

朝食は1階広間でいただきます。通常は8時からですが、登山のため7時半に調整いただきました。ありがとうございます。

朝ごはんも大満足!登山に備えて、しっかりいただきました。

夜の温泉街の散策がまた楽しい!普段は部屋でゆっくりしますが、女将さんに「せっかくだから行っておいで。雰囲気違うよ。」とお声がけいただき、出かけました。


『千と千尋の神隠し』の油屋のモデルになった金具屋旅館。ライトアップされると、また一段と雰囲気があります。
素敵な建物でぜひ宿泊してみたい宿ですが、残念ながら一人泊は受け付けていません。
おいしい食事、温かい接客、美肌の湯、居心地のいい部屋…と大満足な宿泊となりました。