9月 東北 街と温泉

[福島、姥湯温泉] 温泉からのこの絶景を見るために訪れた

急峻な谷間にある建物、赤茶の岩肌と乳白色の温泉…何かで知って以来、訪れたかった姥湯温泉。紅葉の時期や土日の一人泊を受け付けていないため、9月下旬に遅めの夏休みをとって行って来ました。期待通りの絶景風呂!食事や部屋の居心地も良く、とても良いお宿でした。ぜひまた訪れたいですね。

  • 日:2024/9/26(木) - 9/28(土)
  • 旅程
    • 9/26:大阪(伊丹)空港 - 福島空港 - 福島散策 - 姥湯温泉
    • 9/27:姥湯温泉 - 高湯温泉 - 浄土平 - 一切経山登山 - 高湯温泉
    • 9/28:高湯温泉湯巡り - 福島空港 - 大阪(伊丹)空港
    • このブログは、1日目の福島散策と姥湯温泉の記録です。2〜3日目の記録は近日公開予定!

福島

福島空港から峠駅のある山形県の米沢を目指して行きました。タクシーの運転手さんに教えていただいた福島県館観光物産館に立ち寄るのがお楽しみ。評判通り、福島のおいしいものが集められていて大感激!
ただ、米沢には仙台空港からアクセスする方がベター。この場合は、仙台で早めのランチをして向かうのもいいですね。秘境駅でもある峠駅から姥湯温泉までの道のりはなかなかにハード。急な坂を何度も車を切り替えしながら進みます。運転に慣れていない方は宿の送迎を利用することをお勧めします。

  • アクセス
    • [バス] 福島空港 - 郡山駅前 約40分 1,120円 リムジンバス時刻表
    • [電車] 郡山 - 福島 45分 858円
    • [電車] 福島 - 峠 約30分 420円
    • 峠駅からは、宿の送迎で姥湯温泉まで移動。
    • [東京からアクセスする場合] 東京 - 福島 約1時間半 約9,000円前後

関西からのアクセスについて
仙台空港からの方がリーズナブル&早いです。電車利用で仙台空港 - 峠 2,100円 または 空港-福島まで高速バス1,500円 + JR 福島-峠 420円で行く方がよかったですね。

写真

念願の姥湯温泉に宿泊するため、遅い夏季休暇を取得しました。木曜日というのに、なぜか飛行機は満席。関西はまだ30度近くもある暑さの日でした。
富士山が綺麗に見えました!飛行機の旅は早朝から始めるのですが、景色が楽しめるように、窓側の席をいつも取っています。
福島に到着!少し肌寒いです。薄い羽織ものがあるといいですね。郡山まではバス空港内の券売機でバス券を購入。
立派で綺麗な郡山駅。利便性が良いことから、経済・工業・流通・交通の要衝として発展し、今では仙台に次ぐ、東北第2位の経済規模を誇るようです。
駅ビルに土産物店が集まっています。個人的に良かったのは2階にある「こおりやま観光案内所」。地域の個性とその土地らしいデザインを見直して全国に紹介する「D&DEPARTMENT PROJECT」の一環で、東北地方を中心に伝統工芸品や民芸品がモダンにアレンジされて展示・販売されていました。
電車で福島へ。福島-峠までの電車は一日に数本しかないので、お昼の電車を待つ間に福島を軽く観光します。
お目当ては福島県観光物産館!以前、福島のタクシーの運転手さんに勧められて気になっていた場所。西口のコラッセふくしまの1階にあります。福島のおいしいものが集まっていて、とても良かったですよ!
地酒、フルーツ、ジャムやチーズ、乾物、米、温泉卵、お菓子、民芸品など…。桃や梨、ぶどうなどフルーツ王国でもある福島。車があればぜひ箱買いしたいです。タクシーの運転手さんは、「地酒と馬刺しが俺の定番のおみやげ!」とのことでしたが、残念…馬刺しはこの日はありませんでした。福島駅に来たらぜひ立ち寄りたいスポットです。
翌日の行動食とお土産を買って大満足!
ラーメンやコーヒー、地酒の飲み比べができるコーナーもありました。
白河の肉屋「とみやま食堂」が出している福島牛塩ラーメンをランチに。甘みとコクのある揚げネギと牛の旨みのつまったスープが印象的なラーメンでした。
福島から峠までJR奥羽本線で移動。山形行きの6番ホームは、4番・5番ホームと同じホーム奥にあり、少しわかりにくい。初めて利用する方は少し時間に余裕を持って、ホームに降りておくのが良いと思います。
稲刈りの季節ですが、よく見ると倒れている稲穂もありました。雨が続いたため、土が乾いていないと動かせない稲刈機を出せなかったことが原因のよう。
秘境駅でもある峠駅(無人駅)に到着しました。滑川温泉と姥湯温泉の宿泊客はここで降りて、送迎で宿に移動します。この駅は急勾配と豪雪による難所で、昔の列車はスイッチバックで登っていたそう。複雑な線路や施設を雪から守るためにあったスノーシェルターをJR本線になってからも流用したため、このような覆いがされた独特な構造になっています。
この覆いの梁や支えには、昔の線路も使われているそうですよ。現在、峠駅に住んでいる人はおらず、山菜料理屋の江川と峠の茶屋 力餅、滑川温泉、姥湯温泉があるだけです。
峠の茶屋 力餅。立派なお店です。名物の峠の力餅は、駅ホームに販売に来ています。今では見ることも少なくなった立ち売りで、停車中にささっと購入される方もいました。8個入りのみで、1,000円。この茶屋でお茶することもできます。
レトロな包装が可愛らしい。甘さ控えめの餡子がおいしいお餅。翌日の行動食にしました!

姥湯温泉 桝形屋

露天風呂からの絶景が唯一無二の温泉です。この温泉に入るためだけに、わざわざ訪れた価値がありました。やわらかい酸性湯でお肌もつるつるに。土日や休前日、ハイシーズンは一人泊を受け付けていませんが、それ以外の日はそこまで混み合ってもいないとのこと。こまめに空き状況を確認すれば、十分に一人泊もできます。

  • 姥湯温泉 桝形屋
    • 2食つき:15,500円〜 (税込)。土日での一人泊不可
    • 温泉:泉質は酸性・含硫黄・鉄(II・III)-単純温泉。混浴露天風呂2、女性専用露天風呂1、内湯(男湯・女湯)。露天風呂は6:00~22:00、内湯は24時間入浴可。混浴露天風呂は18:00-20:00、6:00-8:30が女性専用。
    • 食事:夕食17:30〜、朝食7:15〜。夕食・朝食ともに大広間。
    • その他
      • 峠駅からの送迎あり。(宿泊者のみ、要予約)
      • 期間営業:4月下旬〜11月上旬 ※降雪等の状況により、変更する可能性あり
      • 一人泊:土日祝日・休前日、紅葉等のハイシーズンは不可。平日17,300円(税込)でした。

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吾妻連峰の北側、標高1,300mの奥深い谷間に位置する姥湯温泉。峠駅から車で約30分ほど。「よくぞこんな奥地に温泉を見つけたもんだ」と感心してしまいますが、開湯450年と思いの外に歴史があります。初代が鉱脈を求めて山々を歩いていると、髪の長い女性が湯浴みをしていたそう。恐る恐る近づけば、なんと、赤ん坊を抱いた恐ろしい形相の山姥で、その山姥に「この湯の湯守にならないか」と言われたそう。
ちょっとした怪奇譚になるほど山奥ということなのだと思いますが、今や絶大な人気を誇る温泉。冬季は閉鎖するにも関わらずしっかりとした建物で、よく清掃されています。部屋はこじんまりしているけれど、一人には十分な広さ。川音が心地良く、ホッとします。(テレビ、Free Wifiあり。トイレ・洗面所つき) 谷間にある関係上、Wifiの繋がりはあまりよくないです。
13:50に峠駅を出発し、14:30には宿に到着。温泉を楽しむのに十分な時間があります!さっそく、洗い場のある内湯に入りました。泉質は酸性・含硫黄・鉄(II・III)-単純温泉。ミネラルを感じる湯で、肌に優しい感じがします。
姥湯温泉の目玉はやはり露天風呂。赤褐色の荒々しい岩肌を望めるのは混浴の「山姥の湯」。人気のため、夜と朝の女性専用時間に利用します。この宿まではなかなかの悪路のため、日帰り入浴の方は少ないです。ゆっくり、静かに温泉を楽しめるのも魅力の一つですね。
うれしいことに、翌朝は晴れ!とても清々しいです。
そして、絶景が楽しめる山姥の湯へ。もう最高…。川音を聴き、硫黄の匂いを嗅ぎ、満点の星空を見ながら入る夜の露天もよかったですが、少し肌寒い朝に、温かい湯につかりながら、深い山々と朝日をぼーっと眺めるのはなんとも贅沢。
食事は晩御飯・朝食ともに大広間でいただきます。夕食の際は、このような仕切りでプライベートな空間が保たれていました。平日ということもあり、この日の客層は年齢高め。(私自身も含めた)3人の一人泊以外は夫婦連れがほとんどでした。
米沢らしい食事で、おいしかったです!。硬めにしっかり炊いた鯉の甘露煮、山菜、栗・胡麻豆腐・茗荷・煮しめ。鯉の甘露煮は初めて食べました。山形内陸地方の郷土料理で、ハレの日に食べる祝い料理のよう。
鯉とサーモンの洗い、芋煮、米沢牛のしゃぶしゃぶ、ご飯(つや姫)、汁物、胡麻プリン。山形の秋の楽しみは、芋煮と新米。ここ米沢の芋煮はやはり牛肉。醤油ベースでほっこりしたジャガイモと少しぬるっとした山芋が印象的。そこに葱のシャキシャキが加わっておいしい。素朴な料理ですが、地域性があり、大好きな料理の一つです。夕食をとっている間に布団が敷かれており、その晩はぐっすり眠ることができました!
朝食は仕切りが取り払われ、こんな風景。私は峠駅の始発に乗るため、7時と他の方よりも少し早めの朝食です。つや姫のご飯と脂ののった焼き鮭がおいしい!お櫃に入ったご飯をしっかり食べ、この後の山登りに備えました。
絶景風呂と居心地の良い宿。また再訪したいと幾度も振り返り、一切経山に向けて出発しました。

旅のポイント
奥州の名湯・秘湯があるこの辺り。白布温泉や高湯温泉、蔵王温泉といった奥州三高湯や赤湯、かみのやま温泉にも比較的近いです。姥湯温泉でご一緒した方も米沢や肘折に行ったりと、みなさん思い思いに楽しまれているようでした。他の温泉地と組み合わせた旅プランもいいですね。

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